地域の人に見守られて りゅうゆう館で結婚披露宴

見事な高砂の前に座る新郎新婦。体育館ならではの大勢の出席者に見守られての式となった

心衣采ちゃんを抱いてお色直しに向かう2人(提供写真)

龍郷町役場職員 平田駿さん、ゆう奈さん
招待客270人が祝福

 龍郷町の役場職員・平田駿さん(31)とゆう奈さん(27)の結婚披露宴が5日、龍郷町体育文化センターりゅうゆう館で開かれ、島内外から約270人が出席し、2人の門出を祝った。新型コロナウイルスが5類に移行したことも受けて、大人数での開催となった。

 2年前に入籍した2人の間には、2023年に心衣采(こいと)ちゃん(6か月)も誕生。コロナ禍を乗り越え、大切な人たちに見守られながらの温かな式となった。

 高砂のステージにはゆう奈さんの父、竹元康晴さんと兄の周平さんが作ったアーチが掲げられた。アーチには東京で「フィオリスタ ア テ」を営むゆう奈さんの叔母・山浦トシヨさんらが用意したドライフラワーが飾り付けられた。また来賓客のテーブルには、宮崎で「押し花 小森」を営むいとこの小森いずみさんがドライフラワーアートで作成したネームカードが用意された。

 「披露宴に呼びたい人を制限するのは寂しい、コロナも5類となったので、体育館だったら大勢呼べるかもしれない。2人の暮らす地元龍郷のりゅうゆう館で挙げられたら」という2人の願いがかなった式となった。

 式には駿さんの中学、高校と亡くなった母親代わりに育ててくれた祖母の松澤克子さん(90)も出席。駿さんにジャケットを羽織らせ、晴れ姿の仕上げの手伝いをするシーンも用意された。指輪の交換には心衣采ちゃんがリングガールとして真っ白な車で登場し、出席者らを驚かせた。

 余興には、ゆう奈さんの所属する「南球会」や駿さんが出向中の奄美群島広域事務組合の職場からライオンキングのオープニングを模したパフォーマンスなどが披露され、会場を沸かせた。締めは2人が所属する大勝八月踊り保存会が総出で八月踊りと六調で盛り上げた。来場者、新郎新婦も共に踊りの輪に加わり、やっと迎えられた披露宴の喜びを分かち合った。

 会場設営は、前日に実行委員と駿さんらで行われた。浦、大勝、川内の三つの地区の公民館から100個の長テーブルと300個の椅子を運び込み、女子チームが会場となった体育館へのシート張り、テーブルクロス張りと、手作りの会場に仕上げた。「昔の結婚式みたいでよかった」の声がたくさん聞かれるアットホームな結婚披露宴となった。

 駿さんは「友人、お世話になった人を1人でも多く呼びたかった。2人の暮らす大好きな龍郷町と関わって何かできないかと、2月の宇検村の体育館の結婚披露宴を知り、りゅうゆう館に聞いてみた。実行委員会のみんながいてできたことだった。みんなには感謝でいっぱい。たくさんの人に祝ってもらえてよかった」と感謝した。

 振る舞われた弁当にも龍郷町で採れた食材がふんだんに使われていたり、ウェディングケーキも地元の洋菓子店の物が用意された。2人の願い通りの、地元を大切にした式となった。