公金3800万円横領

会見で謝罪する今井力夫町長(中央)ら(10日、知名町あしびの郷ちな)

知名町職員を懲戒免職、刑事告訴検討

【沖永良部】知名町は10日、公金約3800万円を横領したとして、子育て支援課の男性職員(38)を懲戒免職処分にしたと発表した。会見した今井力夫町長は「町の名誉と信用を損なう事案であり、責任を痛感している」と述べ、謝罪した。

町によると、男性職員が子育て支援課にいた2021年4月から24年3月までの間、事務を担当していた高額障がい児通所給付費を架空に申請し、計217回にわたり2395万6800円を詐取した。

保健福祉課にいた2018年10月から2020年3月までの間にも、重度心身障がい者医療費助成金を架空に申請し、計75回にわたり1315万980円を着服したほか、男性職員が管理していた外部団体の預金通帳と印鑑を使い、身体障がい者協会から計5回30万6000円、喜生の会(精神障がい者家族の会)から計4回45万5709円を詐取していた。

高額障がい児通所給付費と重度心身障がい者医療費助成金については、上司の印鑑を無断で使用して支出にかかわる伝票の決裁処理を行ったり、助成金の申請を装うために架空の内容の書類を作成したりしていた。

今年2月26日 子育て支援課の上司が不審な会計処理に気付き、町が内部調査や男性職員への聞き取りを行った。先月11日、男性職員は公金の詐取を認め、「主にギャンブルに使った」「町民に申し訳ないことをした」などと話したという。

町は先月26日に男性職員を懲戒免職処分にし、刑事告訴を検討している。会見で今井町長は「今回の事案を組織全体の課題と捉え、業務の改善と職員の指導を含めた抜本的な取り組みを進めていく」と述べた。