宿泊税、制度設計へ議論

宿泊税導入に向けた制度設計を巡り議論した奄美市世界自然遺産に関する新たな財源創設検討委員会

市財源創設委 税率結論などは持ち越し
宿泊事業者アンケートへ

 奄美大島の世界自然遺産の価値の維持のため、必要な財源確保を目指す「奄美市世界自然遺産に関する新たな財源創設検討委員会」(委員長・松田忠大鹿児島大法文学部長、9人)の第4回会合が11日、奄美市役所であった。委員らは、自治体が徴収できる法定外目的税の一つ「宿泊税」導入に関する制度設計を巡り議論。税の徴収方法などの一部は決まったものの、具体的な徴収額を示す税率の結論などは次回に持ち越した。

 検討委は、2022年に開催の世界自然遺産活用プラットフォームの提言を受け、奄美市が23年に設置。前回までの会合では、「入島税」は徴収方法やシステム改修といった面から導入が難く、宿泊者から徴収する「宿泊税」の導入を想定し、検討を進める方針を確認していた。

 議事では、宿泊税の納税対象者を施設の宿泊者とし、法の許可を受けたホテルや旅館、民泊事業者らが税を徴収していくことに決めた。課税免除については、修学旅行者なども対象に含めるべきといった声も上がったが、「環境負荷を学ぶ学習機会として捉えるべき」といった意見もあり、免除しないこととした。

 税率については、人数と宿泊日数に応じて課税する「定額制」や、宿泊料金から算出する「定率制」などを併記し協議を試みたものの、委員から「税の用途や目標額が見えなければ額の設定はできない」といった声もあり、結論を先送りした。

 今後は、市内の宿泊事業者を対象にしたアンケート調査を実施。ホテル業者や旅館業者への聞き取りを行った上で、税の名称なども決めていく。

 次回は11月2日を予定。税率や制度案について引き続き協議し、検討報告書にまとめていく。