茶道のワークショップ。観客の関心を集めた(提供写真)
大島紬の多様性を伝える展示(同)
米国カリフォルニア州立大学チコ校での国際交流イベントの模様を報告する朝山さん(右から)、吉田さん、大山さん
NPO法人アマミーナ(徳雅美理事長)は、徳理事長が勤務する米国カリフォルニア州立大学チコ校で「大島紬の多様性を通して奄美大島の文化やアートを紹介する」イベントを開催した。裏千家淡交会(茶道)、華道池坊で講師を務める会員らが奄美から渡米し参加。シマ唄の公演もあり、和装だけでなく洋装を含めて大島紬の多様な魅力とともに奄美、日本の文化を伝えた。
奄美市出身の徳理事長は、チコ校芸術学部の美術教育学教授。徳理事長が最初に米国で行った紬展示会は2002年で、展示会や写真展などを同様にチコ校で開催し反響を呼んだ。
アマミーナによると、会員のうち国際交流イベントに参加したのは吉田和代さん(76)、朝山弘乃さん(70)、大山久代さん(65)ら。裏千家のお茶のセレモニー・ワークショップは今月2日にあった。来場した観客には茶道や華道を紹介するパンフレットが配布されたが、ワークショップで講師を務めた吉田さんと朝山さんは「紬の着物を着用して実際にお茶をたてたところ、とても反応が良かった。日本の文化として茶道への関心の高さを感じた」と振り返った。会場では紬の着物の展示だけでなく洋服の紹介もあり、「すてき」「洋装化もできるの」など感嘆の声が上がったという。
翌日(3日)は平田まりなさん(28)のシマ唄公演。サンシン、チヂンの演奏に合わせて「朝花」「ヨイスラ」などシマ唄の披露、シマ唄とジャズのコラボレーション、さらに奄美出身でロサンゼルス在住のプロダンサー川畑まりゐさん(28)とのパフォーマンスなどの演目が続いた。この模様について吉田さん、朝山さん、大山さんは「川畑さんのダンスでは、衣装に龍郷柄の帯が用いられるなど奄美をイメージしていた。まりなさんは、トークは流ちょうな英語で行い、シマ唄の特徴を米国の人々にも伝えていた。海外で聴いたシマ唄はとても感動的で感激。思い出すと今でも涙があふれる」。最後は全員で一緒に踊る六調で盛り上がったという。
徳理事長は「今回のイベントは大成功だった。奄美から会員にも参加していただき心から感謝したい。トータルで200人の観客の来場があったのではないか。茶道や華道のワークショップも計100人ほどの参加があり、大変評判が高かった。イベントに関しては、スタンディングオベーションもあり、多くの方が感動してくださり、私も感激した」とコメントした。