「人権の花」運動 龍瀬小で開校式

育苗ポットにヒマワリの種をまく児童。花に親しむ中で思いやりの心を育んでいく(16日、龍瀬小学校)

他者への思いやり学ぶ

 龍郷町の龍瀬小学校(今村宗一郎校長、児童86人)で16日、2024年度「人権の花」運動(龍郷町、奄美人権擁護委員協議会、奄美人権啓発活動地域ネットワーク協議会主催)開校式があった。児童たちにヒマワリの種が寄贈され、校庭で種まきを行った。夏の花の時期まで協力して育てることで、他者を思いやる心を育んでいく。

 人権の花運動は、法務省の人権擁護機関が1982年から小学生を対象に始めた啓発活動。育てる花は都道府県によって違い、85年から運動に加わった鹿児島県は、太陽に向かって大輪に花を咲かすヒマワリを人権の花に指定している。

 式では、同町人権擁護委員の岡山和子さんから児童代表の6年・松原太一君にヒマワリの種が贈呈された。

 同委員の重村洋一さんの「命の大切さを学ぶ機会にして」という講話に、6年・長谷場花音さんが「命の大切さを考え大事に育てる」と決意を話した。

 鹿児島地方法務局奄美支局の中島敏博支局長が「人権とはみんなが明るく過ごすこと。相手のことを考え行動して」と激励した。

 閉式後、校庭で種まきが行われた。育苗ポットで発芽・成長させ、水やりなどは児童が行い、夏には校庭の花壇に移植される予定。

 同運動は2回目だという5年・最上恭也君(10)は「花を育てることで人権の大切さを学んだ。みんなが幸せになれるように、やさしい心で接し仲良くしたい」と話した。

 今村校長は「普段から、自分も大事、周りの友達も大事という教育をしている。人権という概念は低学年には難しいが、人権教育は、子どもの頃からの積み重ねが大事」と語った。