知事定例会見

全国植樹祭招致へ
オスプレイ飛行再開 「不安与えないよう意見交換」

 塩田康一知事は17日、県庁で定例記者会見を行った。天皇・皇后両陛下がご出席される全国植樹祭の鹿児島県での開催を目指し招致に取り組むことが発表された。2029年度開催の全国植樹祭で、開催4年前の来年8月頃には開催地決定の内定があるという。

 全国植樹祭招致の理由について知事は「(過去には)1984年に現在の霧島市牧園町で開催しており、実現すれば本県での開催は45年ぶり2回目となる。森林や緑の果たす役割は大きく、林業や環境を守るため、開催に向けて林業関係者、県民の協力をお願いしたい。鹿児島の森林への全国的な関心も高まる」と述べた。開催場所についてはこれから決定する。

 昨年11月の屋久島沖での墜落事故発生後、飛行停止が続いていた輸送機オスプレイは米軍、陸上自衛隊とも国内での運用を再開している。4月以降、奄美上空でもオスプレイが目撃されているが、知事は奄美上空での目撃について「把握していない」とし、県内上空での飛行再開については「どこを飛ぶかという具体的な連絡をいただいていない」とした上で、「奄美での目撃情報があるなら、しっかりと九州防衛局に確認したい。屋久島の事故を考えれば、(上空の飛行は)住民の不安がある。状況を把握し、不安を与えないよう防衛局と意見交換していきたい」と述べた。

 前日の16日に3人目の立候補表明があった知事選に関する質問があった。争点について「今後の鹿児島県においては少子高齢化が進み人口が減少する中で、将来に向けて地域をどう維持し発展させていくか。若い人が地域において生活していけるよう稼ぐ力の向上、子育てしやすい社会基盤に取り組む」と語った。自民党の推薦を受けるが、「政治とカネ」の裏金問題で見られる同党への逆風による選挙への影響については「否定的な反応を受けていない。自民党を含めた形で幅広く、いろんな企業や団体を含めた県民の支持をお願いしている」と述べた。

 取引金融機関への負債が総額約360億円に達し、金融支援を受けて経営再建に乗り出す鹿児島市の老舗百貨店・山形屋に関する質問もあった。知事は「鹿児島の中核的企業。再建ができるよう、しっかりと対応したい」と述べ、民間企業への行政機関としての対応については人員整理が行われた場合に鹿児島労働局と連携しての支援、物産展開催での協力を挙げた。