田中一村の功績学ぼう

一村が過ごした終焉の家でその生涯や功績を学ぶキッズクラブメンバーたち

終焉の家拠点に
今年も「キッズクラブ」開講

奄美大島で晩年を過ごした日本画家・田中一村について学ぶ2024年度「一村キッズクラブ」が19日、奄美市名瀬有屋町の田中一村終焉=しゅうえん=の家で開講した。一村の魅力を地元の子どもたちにも知ってもらおうと20年に発足し、今年で4年目。今年度も終焉の家を拠点に敷地内の清掃に取り組み、スケッチやフィールドワークなどの活動を通して一村の功績を学んでいく。

県奄美パーク・田中一村記念美術館が主催。クラブメンバーは地元小中学生を中心に児童・生徒約20人が登録。今年度は清掃のほか、水墨画や植物について学ぶ講座、ゆかりの地巡りなど計8回の活動を予定している。

この日は保護者を含め18人が集まり、敷地に生い茂った雑草を刈り取ったり、家屋内の掃き掃除などで汗を流した。清掃後は、同館の上原直哉学芸専門員が講師を務め、一村の生涯や歴史、終焉の家の軌跡などをパネルで紹介。家屋周辺を散策し、一村が以前に暮らしていたとされる住居跡地なども確認した。

初めて参加した朝日小6年の永瀬紅葉(くれは)さん(11)は「ここが最後に住んでいた家だとは知らなかった。奄美の自然の大切さを学んでいきたい」と笑顔で話した。同小4年の隈元琳香さん(9)は「人を描くのが好き。うまくなれるように頑張りたい」と抱負。上原学芸専門員は「みんなで一緒に一村を学ぶことで、次世代に守りつないでいく場になれば」と期待を込めた。

次回は6月16日。家屋清掃と日本画の絵の具を使った創作活動を予定している。