子どもたちが自由に描いた絵は大きな龍の姿を浮かび上がらせた(18日、龍郷町りゅうがく館)
2024年度龍郷町子ども博物学士講座(同町教育委員会主催)は18日、りゅうがく館で開講式が行われ、同町在住の画家・絵本作家のミロコマチコさん(43)を講師に第1回講座「奄美の龍を描こう! ~どんな龍が現れるのかな~」があった。同町戸口の美術品収蔵庫でのロングラン企画展で町内のファンも多く、創作家として世界的な注目を集めるミロコさんの絵画講座に134人(児童・生徒87人、未就学児7人、保護者40人)が集まり、会場は熱気にあふれた。
子どもたちが自由に絵を描くアート講座に、会場のステージ、フロア、壁面は全てシートに覆われていた。
ミロコさんが「龍郷町には、森にも海にも嵐の中にも龍がいるといわれる。龍に決まった形はない。みんなのエネルギーを龍にして」と呼び掛けると、子どもたちは、さまざまな形に切り抜かれたボール紙に一斉にマジックを走らせた。
ペイントカラ―絵の具を染み込ませたスポンジが配られると、手も足もピンクやグリーンに染め、服の汚れを気にすることなく夢中になって描き続けていた。
講座終盤のクライマックスでは、子どもたちが描いた絵をフロアに並べ、大きな「龍」を浮かび上がらせる演出がされ、子どもも大人も驚きの声を上げていた。
子どもたち約100人が創造した作品は、町制50周年の記念イベントで掲示されることが検討(町教委関係者)されるという。
秋名小3年・重山渉君(8)は「星を描いた。龍の手の2本目になった。余白があったので車や飛行機も描きたかった」と少し思い残しがあったようだが、最後は「楽しかった」と話した。
カニ、クラゲ、鳥、ネコなど次々と描いた赤徳小6年・久保心花(こはな)さん(12)は「ミロコさんが好きで参加した。自分たちが描いた絵が龍になってびっくりした。修学旅行が近いが、絵を描く道具を持っていきたい」と話し、終了後はミロコさんにイラストの入ったサインをもらい笑顔を見せた。
ミロコさんは「最初は戸惑いが見られた子どもたちがはじけてくれ楽しかった。魚や海の生き物を自由に描いていた。エネルギーをもらえた」と満足そうに話した。