大和村スモモ

選果場に持ち込まれている大和村産のスモモ
溜さんの果樹園では管理作業により大玉サイズが実っている

生産量30㌧見通し
前年実績の半分程度か
大玉果実へのこだわりも

初夏の味覚・スモモ(「奄美プラム」)は、主力産地の大和村では選果場への持ち込みが始まり、集出荷が行われている。生産量は約30㌧を見込んでおり、昨年実績の半分程度となる見通し。31日にはJAの出発式、6月2日には村主催の販売イベント「すももフェスタ」が予定されている。

村産業振興課によると、昨年の生産実績は57㌧。今期の低迷は摘果不足、果実ならし過ぎの着果過多が影響しており、樹勢低下につながり生産が安定しない隔年結果がみられるという。出荷基準の階級では、大玉が好まれる青果用(A品)はLサイズ以上にしているものの、全体的に果実の大きさは小ぶり傾向にある。

湯湾釜選果場は21日から稼働。初日となった同日は約400㌔の持ち込みが生産者からあった。これまでに約2㌧を受け入れており、量がまとまった段階で機械を稼働させて選果選別を行っている。同課の担当者は「選果場への持ち込みは来週あたりがピークになるのではないか。例年よりも10日ほど早い」と話す。

JAあまみ大島事業本部が取り扱う共販量は同村のほか、奄美市名瀬地区や龍郷町を含めて9・8㌧(生産者からの出荷申し込み)にとどまる。高値で取引されている地元市場に出荷されているほか、奄美市名瀬に居住しているベトナム人による買い取りも行われている。大和村では、こうしたベトナム人が直接果樹園に出向き、収穫までして現金購入しているという。

生産者は「早くから選果場が整備されたこともあり、大和村はほとんどがJAを利用(共販出荷)していた。だが、現在は市況の値段から判断して地元市場への出荷、さらにベトナム人の購入にも応じている。高齢者の中には『収穫までしてくれて助かる』と歓迎しているようだ。JAも取り組みを強化しないと、このままでは年々共販離れが起きるのではないか」と指摘する。

枝切りによる剪定(せんてい)や摘果を繰り返し大玉果実の生産に取り組んでいるのが同村大棚の溜(たまり)一郎さん(61)。毛陣(けじん)地区にある果樹園で最初の収穫を23日に開始。3L~4Lサイズも実っており、「7~8分着色で収穫している。梅雨入り以降、一気に色づくようになった。過熟果にならないよう適期収穫、腐敗果を防ぐ収穫後の乾燥に注意していきたい」と溜さん。昨年6月の大雨による土石流でスモモの樹木4本が枯れる被害が出たが、6本の苗の植栽に取り組み栽培環境を整えている。