請・与路にスターリンク導入

与路集落で行われたスターリンク接続サービス整備事業説明会(25日、与路公民館)

瀬戸内町 衛星インターネット 住民説明会で期待の声
遠隔相談システム・診療へ

瀬戸内町は25日、請島の請阿室集落と池地集落、与路島の与路集落に、移設式のインターネット接続サービス「スターリンク」を導入した。通信環境が脆弱(ぜいじゃく)で、光ファイバーケーブルなどによる整備が難しい両島に、衛星から直接ブロードバンド接続ができ、高速インターネットが利用できる環境を構築し、役場との遠隔相談システムや遠隔診療などにつなげる。

スターリンク(衛星)とは、米国の民間企業スペースXが運用する衛星インターネットサービス。 アンテナを設置するだけで、高速インターネットを利用できるため、山間部や災害発生現場などで活用されている。自治体では、長崎県庁、東京都の小笠原諸島で導入例がある。

両島への導入は、総務省の地方公共団体を対象とした「2023年度自治体フロントヤード改革モデルプロジェクト」の採択に基づくもの。今回は、サービスを提供するKDDI㈱九州支社と同町総務課DX(デジタルトランスフォーメーション)推進室の担当者が、各集落の公民館を訪れアンテナやルーターなどのセッティングと説明会を行った。

説明会で鎌田愛人町長は「導入は、町が掲げるDX推進の大きな柱となる。役場との遠隔相談システムや遠隔診療につなげていきたい」と期待を述べた。

住民からは、降雨時の通信状態や停電時の対応について質問があったが、KDDIの担当者は「1時間雨量80㍉まで問題ない」「蓄電池と(公民館に常備されている)ガス式発電機で対応できる」などと答えていた。

与路へき地診療所に常駐している看護師・福澤ゆきのさん(58)は「現在は2週間に1度、医師が島を訪れ診療している。システム導入でオンライン診療が可能になれば、負担も減り画期的」と話した。

池地集落の益岡一富(かずとみ)区長(70)は「診療所に置き、緊急時の医師とのやり取りに使う。高齢者も多いので活用したい」との意向を示した。

同町では、今回導入されたサービスを使った町役場との遠隔相談システムの実証実験を8月に予定。6月には、池地小中学校と与路小中学校に固定式のアンテナを設置し、遠隔教育での活用を図るという。