ソテツ被害対策、国に要望を

23年度決算や24年度事業計画などを審議した奄美群島各種協議会

群島各種協議会 全日程終了
「あまみフォト農美展」活動終了

奄美群島12市町村の首長らで構成する各種協議会は29日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであり、最終日は地域行政懇話会を含め7会合が開かれた。奄美大島流域森林・林業活性化センター及び同協議会では、奄美大島でまん延する外来種・ソテツシロカイガラムシ被害について意見を交わし、財政支援を含め早期対策を国に要望していくことが求められた。奄美群島農業農村整備事業推進協議会総会では、「あまみフォト農美展」の定例活動終了による規約改正があった。

【奄美大島流域森林・林業活性化センター総会及び同協議会】(会長・元山公知宇検村長)2024年度事業計画など3議案を承認。事務局の県大島支庁林務水産課からはソテツの被害状況や防除に関する報告があり、首長らが意見を交わした。

協議では、▽有効な手段がない▽急斜面など防除が困難な場所がある▽移動を伴う処分方法では運搬中に飛散する恐れがある―といった課題が挙がった。また、自治体によっては自主財源で防除を進めており、事業の継続性も懸念された。

首長らは国への要望を前提に、財政的、技術的支援を訴えたほか、「予算をどうとるかが大事だ。近隣に蔓延(まんえん)する可能性もある。関連する県と取り組むことで要望すべきだ」といった意見も出た。事務局は「財源も含めて県と相談し、鹿児島にとどまらず広域での要望も考え検討していきたい」と話した。

24年度は、奄美産材の安定供給と利用促進に向け、森林プランナー育成や各種普及啓発のほか、キクラゲやシイタケといった特用林産の生産・加工・流通体制整備の事業などに引き続き取り組んでいく。

【奄美広域中小企業勤労者福祉サービスセンター】(理事長・安田壮平奄美市長)理事会があり、23年度事業報告など3議案を承認した。

24年5月1日現在、会員数は2452人、事業者数は332所となった。23年度の共済給付数は1805件。一般検診・人間ドック受診料助成数は2067件などとなった。

23年度は奄美群島各地で会員交流会や子どもフェスタなどのイベントを展開した。公益法人の財務三基準については全て「適合」だった。

【奄美群島農業農村整備事業推進協議会】(会長・大久保明伊仙町長)23年度事業報告・決算及び24年度事業計画・収支予算、規約の改正、役員の改選など、4議案を承認した。

応募数の減少などにより、21年度を最後に停止していた「あまみフォト農美展」を定例の活動として終了。規約から削除することとした。3か年計画の2年目となる、沖縄県との交流は11月に実施予定とした。

任期満了に伴う役員改選では、新会長に隈崎悦男喜界町長、副会長に安田奄美市長(再任)、森田弘光天城町長、今井力夫知名町長、監事に鎌田愛人瀬戸内町長(再任)、前登志朗和泊町長を選任した。

【奄美群島観光物産協会】(代表理事・安田壮平奄美市長)役員の選任、23年度事業実施報告・決算報告の3議案を承認した。任期満了に伴う役員の選任は、新顧問が松藤啓介大島支庁長に選任となったほか、全役員が再任された。

奄美群島観光誘客プロモーションでは、奄美群島旅行説明会を東京、大阪、福岡、名古屋の4地区で実施。JALふるさとアンバサダーとキャラバン隊を編成し、台湾国際旅行展や韓国、青森の旅行会社へのPRを行った。

【鹿児島・喜界・知名航路運営協議会】(会長・隈崎悦男喜界町長)総会を開き、23年度事業報告・決算及び24年度事業計画・予算、役員改選の3議案を承認した。役員改選については全役員の再任となった。

奄美海運㈱の本坊隆幸代表取締役から、22年10月~23年9月の鹿児島~喜界~知名航路の決算説明があり、燃料費高騰により、全費用の約46%(約9億4千万円)が燃料潤滑油費となったとの報告などがあった。