10年目「天城町農業塾」開講

10年目の天城町農業塾が開講し、瀬川氏が第1回講師を務めた=30日、同町農業センター

農業〝学び直し〟組も
第1回講師に瀬川氏

 【徳之島】天城町農業センター(同町瀬滝)の2024年度農業塾(町主催)の開講式及び第1回講座が30日、同センターであった。年間6回シリーズで町外の希望者にも無料で門戸を開き、農家の〝学び直し〟から家庭菜園目的など中高年層に人気。創設者の瀬川裕美氏(同センター元所長)を講師に22人が受講した。

 同町農業塾は、農業の基礎知識の習得による農家所得の向上、家庭菜園での自給野菜や草花の栽培普及が目的。果樹園芸部門などの農業研修生(1年間、定員3人)の受け入れと並行して15年9月にスタートした。講師は同センター職員や関係機関の専門家が担当。3月末までに計48回実施し延べ約2千人が受講し、10年目となった。

 開講式で森田弘光町長は「農業に親しんでもらおうと今年で10年目。農業塾を開設した瀬川さん(元同農業センター所長)が講師に来ないと今年も始まらない。1年間、わくわくドキドキしながら頑張りましょう」と期待。

 町農政課の碇本順一課長は、地場産野菜などの公設直売所設置による販売、学校給食センターへの供給拡大、対象面積を縮小緩和したパイプハウス資材費用補助(8割、町民対象)など施策も紹介。農業を通じ「健康寿命と〝現役寿命〟を延ばそう」とアピールした。

 第1回講座は、元所長の瀬川氏(いちき串木野市在住、農学博士)が「夏野菜の管理」について講義。エダマメやオクラ、カボチャ、サツマイモ、ショウガ、スイートコーンなどの管理のポイント、畑仕事の心掛けなどについて楽しく分かりやすく解説した。

 夫婦そろって3年目の受講という林誠一郎さん(76)=徳之島町山=は、農業に従事して約40年(町農業委員、JA事業本部運営委員)のプロだが、「農業は奥が深い。今はタンカン栽培(約200本)が中心だが、環境保全面も考慮し、特に肥料や農薬の基本も学び直したい」と話していた。

 次回以降の日程(いずれも午後2時開始)とテーマは、▽7月11日「土づくり」▽9月12日「病害虫防除」▽11月14日「野菜の栽培」▽25年1月23日「原木シイタケづくり」▽3月13日「伝統茶とアレンジティー」及び閉講式―を予定している。

 受講希望は前々日までの事前予約が基本。問い合わせ・申し込みは同農業センター(電話0997・85・2214)へ。