2年ぶりに行われた「奄美プラム」出荷式(31日、JAあまみ湯湾釜選果場)
病虫害果や大小を選別する選果作業
2024年産「奄美プラム」(スモモ)の出発式が31日、主産地の大和村にあるJAの湯湾釜選果場であった。昨年度は台風の影響で中止されており、2年ぶりの開催。24年産の共販目標は、23年産実績(26・7㌧)を大きく下回る9・8㌧。開花後の降雨が「実止まり」(正常な実をつけること)に影響した。同村では、出荷の終わる10日頃までに約30㌧の生産を目指している。
奄美プラムは、「花螺李(ガラリ)」という台湾原産のスモモの品種で、この品種では同村が日本一の産地。JAの担当者によると、今年度は、春の開花までは順調に成長したが、降雨の影響で受粉不良となり実つきが悪くなったという。果実も小玉傾向で、Lサイズ、2Lサイズが中心で、3Lサイズが少ない状態。
出発式でJAあまみ・窪田博州代表理事組合長は「ブランド力向上のためには一定量の集荷が必要になる」と共販への協力を訴え、伊集院幼村長も「気象条件によって生産量が不安定になる。K―GAP(鹿児島の農林水産物認証)に参加し、消費者に安心を届けてほしい」と生産者に呼び掛けた。
同村果樹振興会の藤村秀久会長は「生産量の減少は(天候の影響もあるが)適切な摘果が行われないことや、未成熟のものを収穫・出荷することも影響している。産地やブランドを維持するため、大玉化を根気良く呼び掛けていきたい。大玉化すれば高単価での取引につながる」と語った。作業負担の大きい摘果については、同会による応援なども検討しているという。
同選果場では、5月21日から30日までに6㌧を受け入れ、5・5㌧を選果した。集荷は10日頃まで続く見込み。
2日は、同村まほろば館で「すももフェスタ」の開催、7日には伊集院村長が県庁を表敬し塩田康一知事に旬の「奄美プラム」を贈呈する予定。