能登被災地で家屋調査

被災地の状況を説明した藤田さん(2日、知名町役場町長室)

復旧いまだ進まず
知名町職員の藤田さんが報告「空き家、対策が必要」

 【沖永良部】能登半島地震の被災地に派遣されていた知名町役場建設課の藤田昂平さん(33)が2日、現地での活動を同町の今井力夫町長に報告した。

 藤田さんは5月16~24日の間、石川県輪島市で家屋の被害認定調査を担当。全国から派遣された職員と4~6人のチームを組み、屋根や柱、床、内外壁、基礎などの損害程度を調べた。

 調査は1日3件ほどで「倒壊しかけている建物が多く、家の中は地震発生当時のままだった」という。住民の立ち合いのもと、調査を進めていくが「修繕を考えている人も同じ場所でこれから暮らせるかどうか悩んでいた」と話した。

 道路も復旧が進んでおらず、朝5時に滞在先の金沢市から片道2時間半かけて通った。「輪島市に行くにも、道路が通れる状況ではないし、家屋調査をしても解体する業者がいない。復旧には時間がかかるだろう」と述べた。

 活動を振り返った藤田さんは「地元の人が『来てくれてありがとう』と声を掛けてくれた。大変な状況でも私たちを気遣ってくれた。私自身そうありたいと思った」と話し、活動を通して見えた町の課題として「町には空き家が多いので、災害時に危険にならないような対策が必要だと感じた」と話した。

 今井町長は「被災者に寄り添おうとする気持ちが強く伝わった。町で災害が起きた時にこの経験が役立つだろう」と語った。