県議会一般質問

ICT、教職員に技能・頻度差
県警不祥事続発 「個別教育十分でなかった」

 県議会6月定例会は5日、引き続き一般質問があり、宇検村出身の元山寿哉議員=自民党、日置市区=、東清剛議員=無所属、日置市区=、岩重礼議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、奄美と縁(母親が奄美2世)がある宇都恵子議員=県民連合、鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇し、宇都議員は大島紬を着用して臨んだ。元山議員が取り上げたGIGAスクール構想ではICT(情報通信技術)を活用した指導面で、教職員個々の技能・活用頻度差が報告された。

 地頭所恵教育長の答弁によると、同構想の成果として児童生徒1人1台の学習者用端末の活用(2023年度の全国学力学習状況調査結果から)は、授業では「ほぼ毎日」または「週3日以上」回答割合が小学校では約96%、中学校約86%と「積極的な活用が進んでいる」(地頭所教育長)。それぞれの学校では児童生徒一人一人の学習状況に応じた個別最適な学びや複数人で意見を共有したり、協力してまとめたりするなど共同的な学びが展開されるようになっているという。

 課題については、▽教職員のICTを活用して指導する能力が全国と比べ低い(特に高校において全国との差が小中学校に比べ大きい)▽個々の技能差や活用頻度の差―を挙げ、地頭所教育長は「教職員個々のニーズに応じたさまざまな研修を実施するとともに、教職員や市町村を越えて活用事例等をwebサイト上で共有できる場を提供している」と述べた。

 同構想により1人1台端末が整備された環境でのICTを活用した子どもたちの支援について地頭所教育長が説明。それによると、家庭での活用では登校できない児童生徒へのオンラインによる授業の配信、アプリ等を活用して児童生徒の日々の心身の把握、文字の認識への困り事のある児童生徒へのデジタル教科書の拡大機能や読み上げ機能などの取り組みが行われている。一方で、家庭でのWi-Fi環境の差から公平性が担保できないとして家庭への持ち帰りに積極的でない学校もある。23年度の調査結果では「毎日、持ち帰り」「時々持ち帰り」が59・3%となっており、全体に普及した状況とはなっていないことから、「できるだけ家庭での活用を」と呼び掛けた。

 宇都議員は県警の不祥事続発に関連する諸課題を取り上げた。ハラスメント防止対策要綱など訓令・通達の公表、人権教育の推進について野川明輝・警察本部長が答弁。この中では、▽現時点では県民生活に影響を及ぼさないものと整理して公表していないが今後、同防止要綱を含め県民の関心の高い事項を内容とする訓令・通達については、社会情勢の変化に応じて可能な限り幅広く公表するよう努める▽公正な社会の実現のため全ての警察職員に対し、人権に配慮した適正な職務を執行できるよう引き続き人権教育を実施していくーと説明した。

 元最高幹部の逮捕など続発する不祥事の要因について、野川警察本部長は「集合教育の充実に比べ、各職員の個性や特性に配慮した個別教育が十分でなかった点に課題を感じている」とし、一つ一つの教育内容を全職員に浸透させるため「教育を受ける側の個性や立場を意識した教育を粘り強く不断に実施することが重要と考えており、今後こうした取り組みで個人の資質向上を図りたい」と述べた。

 6日も一般質問(最終日)がある。