新たな町誌「和泊町の歩み」完成

完成した町誌「和泊町の歩み」を手にする前登志朗町長(前列左)と関係者ら(6日、和泊町役場)

後世の財産に
編さん室メンバー、町長に報告

 【沖永良部】和泊町が町制施行80周年を記念して編さんしていた町誌「和泊町の歩み」が完成した。6日、歩み編さん室のメンバーから完成の報告を受けた前登志朗町長は「後世に残せる素晴らしい財産になる。1人でも多くの人に読んでほしい」と語った。

 同町では、1984年に町誌「民俗編」、85年に町誌「歴史編」の2冊を刊行。新たな町誌の完成は39年ぶりで、2021年から編さん作業を進めてきた。

 「和泊町の歩み」は、町誌「歴史編」を全面改訂し、85年以降の町の産業の変化や行政の推移、各分野における研究成果などを追加した。自然編、考古学編、中世編、近世編、近現代編、町制施行後の和泊町編の全6編で構成されている。

 執筆は、元町職員や教育関係者ら21人が携わったほか、町制施行後の和泊町編については役場担当課が協力した。書体には、誰もが読みやすいようにユニバーサルデザインを採用している。

 この日は、編さん室のメンバー3人が役場町長室を訪問。編さん委員の先田光演さんは「原稿の内容を精査し、町誌として活用できるよう編集していく過程が大変だった。執筆者との連携がうまくいったおかげで、3年間で完成できた」と述べた。

 竹下安秀教育長は「小学生から大人まで誰もが分かりやすく、利用しやすい町誌ができた。子どもたちのアイデンティティーの育成に役立てたい」と話した。

 B5判、971ページで1000部を刊行。今月20日まで定価税込み4500円のところを割引価格4000円で購入できる。問い合わせは、和泊町の歩み編さん室電話0997・92・3690。