日頃の沈滞ムードを吹き飛ばし活気をもたらした「豊年祭」パレード=9日、徳之島町花徳
【徳之島】初夏を告げる風物詩ともなっている徳之島町北部の花徳地区「豊年祭」と山(さん)地区の「豊年祈願祭」が9日、それぞれあった。青年団員らが牽引(けんいん)役となってエネルギーを結集。威勢のいい青年みこしを先頭に老若男女の住民たちが目抜き通りをパレードし、農作物の豊作祈願と併せて親睦を深め合った。
花徳地区の3集落(前川・上花徳・新村)は、人口減に伴う祭りみこしの担い手不足も背景に2016年、単位青年団を合体させた「花徳青年団」も結成。〝三本の矢〟を束ねてパワーアップを図りパレードも一本化したほか、さまざまな主催イベントにも取り組んでいる。
梅雨の中休みの晴天、夏日の陽気に恵まれた。同地区では午前9時過ぎから花徳神社に合同参拝して豊作を祈願。パレードには他地区の青年仲間ら援軍も交え、女性連や児童生徒など約200人が参加した。青年団の俵みこしを先頭に「ワイド節」などに乗せて踊り連、農作物などで飾った花車などが3集落の目抜き通り約4・2㌔を約4時間かけて練り歩き、沿道の住民たちを楽しませた。
花徳青年団長の土持浩也さん(36)は「心を一つに伝統の豊年祭を盛り上げることは地域の活性化にもつながると思う。青年団の団結力も先輩たちからの伝統です」と汗を拭った。その先輩の一人、前川集落の山口史(ふみと)区長(75)は「花徳は昔からいろんな行事が盛ん。若い人たちも何かをしなければと、自分たちが楽しみながら協力してくれる」とにっこり。
一方、山地区(港川・内千川・山里の3集落)では午後1時過ぎ、ナゴリ山神社に参拝後、青年みこしや女性連、花車など約100人のパレード隊が出発し、活気をもたらした。