学校の働き方改革

8日に大和村の大和小学校で行われた「土曜授業」。地元の基幹産業への理解を深めようと児童はスモモの収穫を体験した

土曜授業 勤務の振り替え
部活動地域移行 実証を奄美は3市町で

 ゆとり教育への反動で復活した「土曜授業」は県内の公立小中学校で一斉に導入され、今月8日の土曜日、奄美でも体験活動による郷土学習などが行われた。年間10~6回進められているが、学校の働き方改革が叫ばれる中、見直しを求める意見もある。県教育委員会は担当する教員の勤務の振り替えが確実に行われ、勤務時間が増えることがないよう指導に取り組んでいる。

 土曜授業が導入されて今年で10年目。学力向上や生きる力育成を目的に始まったが、効果と働き方改革との関係性が開会中の県議会一般質問で取り上げられた。地頭所恵教育長の答弁によると、具体的な内容では合唱コンクールなどの学校行事、土曜参観、地域人材を活用した学習、教科学習などで補充発展的な指導を挙げた。

 地頭所教育長は「導入により土曜日を含めた教育課程全体の見直しが可能となり、各学校の教育課題の解決につながっているものと考えている」とする一方、国の要請を踏まえ総授業実数が標準実数を大幅に上回っている教育課程を編成している学校には指導実数等の点検及び見直しを求めているとした。

 学校における働き方改革は、教員が担う業務の適正化を推進するほか、さまざまな観点から業務改善を進めることで「教師が子どもと向き合う時間を確保し、教育の質の維持・向上を図る」のが狙い。土曜授業との関連性について地頭所教育長は「実施にあたっては学校職員の勤務時間の規則により長期休業中を含め土曜授業実施日の前8週後16週の間に職員の勤務時間の振り替えを行うこととしており、確実に行われるよう指導している」と述べた。

 学校の働き方改革では部活動の地域移行に向けた取り組みも進められている。県教委では2023年5月、学校部活動の地域連携や地域クラブ活動の在り方などに関する方針を作成した。市町村に対し地域の実情に応じた部活動の地域連携、地域移行を推進するよう要請。現在、県内全ての市町村で協議会などが設置され、それぞれの実情に応じて取り組んでいる。

 県教委保健体育課によると、推進に向けた県の実証事業は21、22年度に2市町(与論町を含む)、23年度に6市町(知名町を含む)で実施。今年度は11市町で実証事業が進められているが、奄美群島からは与論、知名の2町に加えて新たに奄美市も取り組んでいる。この実証事業で得られた課題や成果を踏まえ県教委では、参考となる県内外の事例などを紹介しながら部活動の地域連携、地域移行に向けた取り組みの推進を市町村に助言する方針。