女優の山口果林さん長内美那子さん朗読会

朗読する(左から)山口果林さんと長内美那子さん(9日、和泊町)

沖永良部ライオンズクラブ結成50周年記念
戦争と原爆の悲惨さ伝える

【沖永良部】女優の山口果林さん(77)と長内美那子さん(85)による朗読会「いのちを見つめた言葉たち ヒロシマ・ナガサキ 一九四五年」が9日、和泊町あかね文化ホールであった。 親子連れら約150人が来場。2人は、戦争体験者が残した手記などを朗読し、原爆と戦争の悲惨さを伝えた。

沖永良部ライオンズクラブ結成50周年記念事業の一環。鹿児島さつまライオンズクラブの協力で開催した。 

登場した山口さんは「終戦の日の前、広島と長崎に人類初の核兵器である原子爆弾が落とされた。それ以降、核保有国が戦場で使用したことはない。それほどまでに人類を破滅に導く兵器だということだ。みなさんの心に核兵器の恐ろしさが刻み込まれたらと願っている」とあいさつし、朗読を始めた。

「空も地上も灰色一色に塗りつぶされた世界。ほかに色があるとすれば、全身血まみれの赤ばかり」「降伏するつもりなら、広島をこのようなことにせぬ前にやめてくれたらよかったのに」――。2人は、広島と長崎で原爆に遭った人たちの証言や手記、詩人が残した詩を次々と読み上げていった。

来場者たちは、戦禍の様子や戦争体験者の思いに耳を傾けていた。

和泊中2年の宮田和心水さん(13)は「心に残る朗読だった。幸せな家庭を一瞬で壊してしまう戦争や原爆は、本当に恐ろしいと感じた。戦争を次の世代に伝えることで世界を平和にしていきたい」と話した。