「図書通帳」システム開始

コロナ禍、読書習慣化にも期待
伊仙町中央公民館図書室

 【徳之島】伊仙町中央公民館図書室では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、図書の貸出し履歴を記録する「読書通帳システム」を導入。12日、児童生徒ら代表や大久保明町長が参加して運用を開始。読書履歴など「達成感を通じた読書活動の一層の習慣化」に期待を寄せた。

 預貯金〝ATM(自動預け払い機)〟に似た機械に「読書通帳」を通すと、①貸出日②図書名③著者名④定価⑤分類―を記帳。過去の読書冊数や購入した場合の定価・累計など、目に見える形の達成感が。小さな子らも自分専用の通帳に関心を持ち、読書習慣につながると期待(同図書室担当者)する。

 同図書室(蔵書約2万2千冊)も外出自粛や休館などコロナ禍で、利用者・冊数ともに例年の約6割に減少。このため同感染症対応地方創生臨時交付金の約2百万円を活用した。

 裏表のデザインは、3月まで町内に住んだイラストレーター竹添星児さんが、赤土のオレンジをベースに、島の希少野生生物や闘牛などをモチーフに担当した。今夏から伊仙町内で運行開始する移動図書館「はこぶっく くくる」での車内貸出し分も対象(記帳のみは図書室)。同通帳システムの導入は奄美群島自治体では4例目という。

 同運用開始で自らも本3冊を借り、通帳を作成した大久保町長は「読書履歴で自分の知識や好きなジャンルも分かる。読書に親しむと新しい考え方や自己の成長につながっていくと思う」と読書普及に期待。週2、3冊と読書好きの伊仙中1年生・松田つばきさん(13)は「今は『ふしぎ駄菓子屋・銭天童』(廣島玲子作)シリーズに夢中です。これからも多くの本を読みたい。将来の目標は獣医さんです」とにっこり。