ポンカン相場低迷

入荷したポンカンの地元市場でのセリ。昨年12月の相場は低迷した

地元市場12月取扱
後半にかけ「スアガリ多く」
生産者「個販伸ばすしかない」

 年末の贈答用などとして根強い需要がある柑橘=かんきつ=のポンカン。地元市場の名瀬中央青果㈱(福山治社長)は昨年12月の取扱状況をまとめたところ相場は低迷し、特に後半に値段が下がる傾向となった。地元市場でも高値取引が続いていた生産者は落胆、「個販(個別販売)を伸ばすしかない」との声も聞かれる。

 同青果商事係によると、昨年12月のポンカン入荷量は3万6436㌔、キロ当たり平均単価は160円。ミカンコミバエ問題が発生した前年は島外出荷できない影響により入荷量は2352㌔にとどまり、平均単価113円だった。それ以前は2014年12月が2万1738㌔・366円、13年同5万1092㌔・112円。

 量が多いと値段が下がる傾向にあり、毎年の変動は収穫量が安定しない「表年と裏年がある」関係で。値段変動が激しい中でも市場に持ち込む生産者のうち4、5人は外観・品質とも優れ、選果選別が徹底しているため常に高値で取引されているという。「セリに参加する仲買人は品物の外観のほか試食も行い品質を確認して値段をつけるが、こうした農家の生産物は安心できるため、農家の名前がブランドとなり高値取引が実現している」(中央青果)。

 ところが昨年12月の場合、単価は高値でも通常の500円まで届かず、400円台に。12月の上旬から中旬までは例年に近い相場が続いたが、後半になると下降。高値でも200円台、安値になると5円から10円も多かったという。「全体的にスアガリ(果実の水分が少なくなり、じょうのうの中にある砂じょうが米粒のようにパサパサした状態)が多く、値段が下がり始めた」と中央青果側は説明する。仲買人の一人も「今年のポンカンは全体的に美味しくないという感想が寄せられた。津之輝(新柑橘)に期待したい」と指摘する。

 年明け以降も「スアガリが多い」としてポンカンの相場は低迷のまま。2月に入ると果樹農業の柱・タンカンの入荷が始まるが、中央青果は「今期はタンカンも豊作傾向にあり多量の入荷があるのではないか。外観だけでなく味が良くないと高値で取引されない。高値と安値の差の拡大が懸念される。入荷にあたっては選果選別の徹底のほか、1週間程度の予措もしっかり行ってほしい」と呼び掛ける。

 地元市場でのポンカン取引について落胆する生産者もいる。スアガリがないという早生系統のポンカン生産に取り組んでおり、「前年はミカンコミバエ問題で廃棄処分がとられたため早期に収穫したところ樹勢が回復し、果実の出来は良く商品化率が改善した。注文があった本土の消費に送ったところ『今年のものは特に美味しい』という評判だった」と語り、「地元市場では通常よりも単価が200円ほど下がった。資材や人件費が高騰している中で、この低下は農業経営に大きく影響する。市場で値段がしないのなら自らの取り組みで個販を伸ばすしかないのではないか」と受け止めている。