徳之島町轟木・豊年祈願祭

出身者ら若い〝ふるさと援軍〟も交え活気を吹き込んだ「豊年祈願祭」=5日、徳之島町轟木

「わっしょい!」
若い〝ふるさと援軍〟で活気

 【徳之島】初夏を告げる風物詩、徳之島町轟木集落(木場友広区長、103世帯199人)恒例の「豊年祈願祭」が5日あった。過疎化で日ごろ静かな純農村集落の一つだが、今年はひと際威勢のいい青年みこしを先頭にパレード隊が集落中を練り歩き、活気を吹き込んだ。

 古くは稲作、今ではサトウキビを中心とした農作物の豊作を祈り、住民同士の親睦交流で絆も深め合う大切な伝統行の一つ。だが、少子高齢化の波とともに青年団メンバー対象が激減し、伝統行事の継続に欠かせないヤングパワー不足を懸念。今年度集落総会では、同出身集落外に暮らす若い世代とその家族にも積極参加を促すことを決め、呼びかけていた。

 午前8時半、同町亀津地区に住む若い〝出身者交流人口〟約30人を含む計約80人が「轟木神社」に参拝して豊作を祈願。そして、例年よりもひと際エネルギッシュな青年みこしを先頭にパレード連が出発した。

 パレードには子どもみこしや、「豊作祈願」のプラカードを掲げて目いっぱいの装飾を凝らした〝花車〟などが続き約3、4㌔のコースを周回。午後は集落公民館で住民総出の懇親会を開き、絆を深め合った。

 木場区長(59)は「祭りは五穀豊穣=じょう=と集落住民の融和が大きな目的」。若い〝ふるさと援軍〟の呼応には、「大変ありがたい。生まれ育った集落があって、今の自分がいることも分かってもらえたのでは」と目を細めた。