県寄り洲除去実績

160517寄り洲除去後

寄り洲除去前(写真上)と比べ、除去後(同下)の河川では流下能力が向上している(提供写真、龍郷町秋名川)

4万立方㍍の土砂除去
災害防止へ 13河川で流下能力確保

 治水上緊急性が高い寄り洲=す=を除去し、河川の氾濫を未然に防ぐ目的で、県が2012年度から実施してきた県管理河川の寄り洲除去計画が15年度までに終了した。大島支庁管内では4カ年度で13河川、約4万365立方㍍の土砂除去を完了。これまでに除去した河川の中で、台風や大雨などで堆積状況に変化がみられる河川もあることから、今後も流下能力の確保に努める方針だ。

 同計画は流下能力や背後地の状況などを勘案し、河川の流下断面に対し、土砂が堆積している面積割合が20%以上の寄り洲を集中的に除去するもの。住宅地などで土砂が著しく堆積している場所で、浸水実績や浸水の恐れがある箇所を優先的に、河川環境に配慮した工法で実施した。県全体(当初)の約141万立方㍍のうち、同支庁管内は4万4824立方㍍の寄り洲除去を計画。全体の総事業費は36億9千万円。

 県大島支庁建設課によると、同支庁管内は12年度小宿大川、新川、大川(以上奄美市名瀬)、屋仁川(同市笠利町)、名音川、三田川(以上大和村)の6河川で約6474立方㍍を除去。13年度は4河川、1万9380立方㍍、14年度は2河川、3665立方㍍、15年度は7河川、1万846立方㍍(河川の重複あり)で、4カ年度合計では13河川、延べ19カ所で事業を行った。

 一方、事業実施の間にも台風や大雨などで、寄り洲を除去した河川には新たに土砂が堆積している。同課は「伐採などの作業に加え、寄り洲除去は地元の要望を踏まえて現場確認を行った上で、緊急度の高いところから実施していく」としている。