リュウキュウアカショウビン保護

リュウキュウアカショウビン保護

左の羽を骨折したリュウキュウアカショウビン(8日、午前10時ごろ)

台風10号影響か 左の羽を骨折
龍郷町龍郷集落で発見

 龍郷町中勝のいんまや病院(伊藤圭子獣医師)で、けがを負ったリュウキュウアカショウビンが治療を受けている。伊藤獣医師によると、おそらく台風10号の影響で、左の羽が骨折しているという。同院では、夏鳥であるリュウキュウアカショウビンが無事海を渡れるよう、全治約2週間を見込み治療にあたっている。

 同町龍郷集落の発見者によると、リュウキュウアカショウビンは7日午前8時ごろ民家の庭を歩いていたという。飛べない様子を確認した後、同集落在住の宇都宮英之さんに受け渡した。宇都宮さんは「保健所へ連絡後、約1時間後に同病院へ搬送した」と話す。

 同病院は野生生物保護治療の指定病院に登録されている。

 伊藤獣医師によると、リュウキュウアカショウビンは今夏生まれで、体重101㌘の幼鳥。発見時は左肩が下がっており、触診で骨折と判断した。幼鳥のため危機管理能力が乏しいこと、交通事故のような強い打撲ではないことなどから台風10号の影響を受けた可能性が高いという。現在テーピングで患部を固定し、定期的に羽を動かすリハビリを行うなどして治療にあたっている。伊藤獣医師は「野鳥に戻れる確率は3割程度。人間に保護された時点でかなり弱っているし、現在もストレスがかかっている状態」と説明した。

 また、野生生物を保護した場合は▽指定された病院に連れていく▽基本的に一般飼育が許可されていない▽いざという時のために、車内に一つ段ボールを積んでおく(クッション性、手で直接触れないため)ーことを呼び掛けた。

 奄美野鳥の会会長・鳥飼久裕さんは「台風後はほぼ毎回、野鳥の被害報告を受ける。目に見えないところでも、被害にあった野生生物は多いだろう」と話した。

 県ホームページには、 傷病野生鳥獣保護対策事業にかかる診療施設(大島地区では①奄美動物病院②ゆいの島動物病院③徳之島動物病院④奄美いんまや動物病院の4施設)の一覧、救護が必要と思われる鳥獣を見かけた場合は大島支庁林務水産課(電話0997・57・7285)へ連絡するよう案内が出ている。