自民党奄振委

自民党政務調査会奄美振興特別委員会であいさつする、尾辻秀久委員長

非公共は前年と同額規模か
輸送費支援、新型コロナ対応も
 【東京】自民党政務調査会奄美振興特別委員会(尾辻秀久委員長、金子万寿夫事務局長)は17日、千代田区平河町の自民党本部で会合を開いた。同会では奄美振興関係予算の2020年度補正予算案、21年度当初予算について関係各省庁からの報告を受け、それについて意見交換を実施した。尾辻委員長は、離島の医療や教育について注文をつけた。
 
 冒頭で尾辻委員長は、出席者に感謝を述べたうえで「奄美群島でも新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生する一方、来年は6月から7月にかけて世界自然遺産登録に向けた委員会が開かれる明るいニュースもある。この追い風を受けて着実に発展していくために、奄美に関して必要な額の確保が肝要だ」とあいさつした。

 金子事務局長の司会で、国土交通省から報告開始。20年度補正予算は公共事業で16億5千万円、非公共事業(奄美群島振興交付金)が5億円となっていると説明。奄振の21年度当初予算規模は、非公共事業は23億9千万円で「前年(24億円)とほぼ同額を確保できる見通しとなっている」と付け加えた。物資の輸送費支援などのほか、新型コロナウイルス感染症への対応などに充てられる。21年度の概算要求額は、公共事業計では171億7800万円(対前年比91%)となっている。

 厚生労働省は、ドクターヘリ運航体制の拡充へ83億円を、総務省は高度無線環境整備推進事業として36億8300円を要求する。文部科学省は、離島高校生修学支援事業に、前年比と同等の2億3800万円を計上、龍郷町、和泊町などでの実績を示した。また、危機的な状況にある言語・方言の活性化・調査研究事業に3200万円(20年当初予算3300万円)とした。ほかに、農林水産省、経済産業省、防衛省などからそれぞれ報告があった。

 意見交換では「世界自然遺産登録を機に、各省が連携することはあるのか」に対して「鹿児島県に2カ所(屋久島と奄美)持つことになるから連携を強化することになるだろう」とやり取りがされ、「国交省には、物資の輸送支援をさらに強力にしてほしい」などの意見もあった。ほか、地下ダムや海岸の漂着物への対応などが話題となった。最後に高岡秀規徳之島町長(大島郡町村会会長)が「これだけの予算を確保してもらい、感謝している。しっかりと成功例をつくっていきたい」とあいさつした。