オイルフェンス接続の訓練。大豊石油と奄美市役所の職員が実践した
奄美大島北部排出油等防除協議会(会長・佐藤至奄美海上保安部部長)は23日、2016年度「名瀬港オイルフェンス展張訓練」を実施した。公益財団法人「海と渚環境美化・油濁対策機構」らを講師に招き、22の同会関係機関・団体が参加。オイルフェンス展張時の注意事項やポイントなどを確認した。穏やかな海でも、作業がスムーズにいかない難しさを実感する訓練となった。
訓練は毎年行われており、同会関係機関・団体から33人が参加。巡視船「あまぎ」が岸壁に衝突し、油が流出したと想定。油拡散防止のために周りにオイルフェンスを展張する。訓練は油防除作業を迅速・的確に実施するために、体験し手順の確認を行うことが目的。今回は名瀬港観光船バースで実施された。
オイルフェンスとは流出した油の拡散を防止、脆弱な場所の保護を目的とした資材で、集める・誘導する・囲む・保護する効果があるという。油を回収する目的ではないため、回収方法も考慮して活用しなければならない。
海上には20㍍のオイルフェンスを9本つなぎ合わせ、90㍍ある「あまぎ」の2倍、約180㍍のオイルフェンスが用意された。展張する小型船の速度によって転倒してしまい、迅速に展張する難しさを痛感。また、陸上ではロープやオイルフェンスの接続を行う実践訓練もあった。ロープとアンカーを結ぶ訓練に参加した龍郷町役場主事の小松大志さんは「初めての体験だった。いかり結びは難しかったが、実践してみて覚えることができた」と話した。
佐藤部長は「展張作業は難しいところもあるが、会員の人たちは実際に体験して手順の確認ができた。うまくいかない、と作業の難しさが分かるだけでも、訓練の意味がある」と語った。