島民創作ミュージカル「えらぶ百合物語」

通し稽古に励むミュージカルの出演者たち=知名町=


子ども達に指導する演出家の松永太郎さん=知名町=


ミュージカルに参加する沖永良部高校3年の左から藤田和さん、盛梨友さん、松元さくらさん、前田真輝さんの4人

「もう一度、島で」高校生熱望
6年ぶり再演 16、17日上演

 【沖永良部】島民創作ミュージカル「えらぶ百合物語」が16、17日の両日、知名町あしびの郷・ちなで上演される。小中高生を中心としたメンバー29人が、10カ月間にわたり練習に励んできた。本番が迫った10日、同会場で通し稽古を行い、せりふやダンスを確認した。

 ミュージカルは、2010~12年の間に3回上演。脚本は志布志市出身の演出家、松永太郎さん(44)が手がけている。6年ぶりの再演に向けて脚本をリメイクし、ダンスや音楽も新しくした。

 ストーリーは、島の特産品「エラブユリ」が外国に輸出されるきっかけとなった実話が題材。高校生ユリとその親友リリィの不思議なつながりを、100年前の沖永良部島で発見する。

 この日は、衣装を着て通し稽古を行った後、本番で使うセットを組み、出演者の動きやダンス、舞台転換のタイミングを入念にチェックした。

 ユリ役を演じる盛梨友さん(17)=沖永良部高校3年=は「本番までの一週間を充実したものにしたい。自分たちも楽しみ、観客にも感動を届けられたら」と話した。

 松永さんは「島の歴史、文化を外からの目線で描きたかった。島の豊かさや文化の深さ、人のすばらしさを感じてほしい」と語った。

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 「もう一度、島でミュージカルを」――。主要キャストを演じる沖高3年の盛さん、松元さくらさん(17)、藤田和さん(17)の思いが、6年ぶりのミュージカル再演につながった。

 盛さんは、過去3回あった全ての上演に参加。松元さんは2回目から、藤田さんは前回から出演している。

 「島を出る前に、もう一度ミュージカルの舞台に立ちたかった」と盛さん。2人も同じ気持ちだった。

 昨年5月、その思いを知名町役場の職員にぶつけると、演出の松永さんにまで届いた。

 リリー役の松元さんは「再演が決まったという連絡を聞いて本当にうれしかった。脚本やダンスは前回よりも難しくなったし、学業との両立も大変だった。レベルアップした自分と作品を観客に見てもらいたい」と意気込みを語った。

 藤田さんは、劇で重要な人物「ナミ」に挑戦する。ミュージカル初挑戦の前田真輝さん(17・沖高3年)が演じるアイザック・バウンディングと恋に落ちる。10日の通し稽古では、松永さんから「悲しみが襲ってくる感情を体から出して。時間をかけていいから」と檄が飛んだ。前回は、アンサンブルでの参加だった藤田さんは「今まで経験したことのない感情を表現しないといけない。本番まで一週間を切ったが、もっと役に入り込んだ演技をしたい」。前田さんは「大きな舞台での演技は初めて。責任の重い役だが、その分やる気も大きい」と話した。

 高校3年生のメンバーは、卒業後、沖永良部島を離れてそれぞれの道へ進む。盛さんは「このメンバーで舞台に立つのは最初で最後になる。私はこの島が好きだし、観客にもこのミュージカルを見て、もっと島のことを好きになってほしい」と語った。

 上演は16、17日の2日間。16日は開場午後6時30分、開演午後7時。17日は、開場午後1時、開演午後1時30分。入場料は大人2000円、高校生以下1000円。問い合わせは、運営事務局℡0997(81)5151(あしびの郷・ちな)まで。