黄金色の実り全校児童で稲刈り

黄金色の実り全校児童で稲刈り

全校児童、教職員、地域住民が参加した小湊小の稲刈り


刈り取った稲穂をリレー作業で束ねて収穫

 

稲わらは十五夜行事に
地域住民も参加
名瀬小湊小

 奄美市名瀬の小湊小学校(岸田さゆり校長、児童20人)は8日、同校近くの水田で稲刈りを行った。保護者、教職員、地域住民なども参加し、稲穂を刈り取り体育館内に干して乾燥させた。収穫した稲は十分に乾燥させ脱穀し米は餅つきなどに利用して、稲わらは綱にして十五夜行事で使用するという。

 同校の稲作体験は5年前から再開し、今年4月に田おこしや田植えを実施していた。稲は順調に成長し黄金色の稲穂が実ってきて収穫間近となったが、台風8号の接近が心配されたため当初の予定より一週間ほど前倒しでこの日の稲刈りとなった。

 作業に入る前に、毎年児童たちに稲作を指導している川畑賢一さんが稲刈りの方法と刈り取った稲の束ね方などを説明した。参加者は道具を手にして、田んぼに入り稲を刈り取り収穫した。

 収穫した稲は束にして、軽トラックで学校の体育館へ移動。体育館内で脱穀作業に向けて十分に乾燥させるという。

 同校のOBで北海道から戻ってきた神谷実法(20)さんは、「自分の時は稲作体験がなかった。初めての稲刈りだったが、貴重な体験ができた」と振り返った。小学3年の満田美優花さん(8)は、「天気が良くて汗をかき、稲でかゆくなった。餅つきが楽しみになる」と話した。

 収穫された稲は脱穀作業後に、11月ごろに餅つきを計画。稲わらは、十五夜行事に使う綱を作るのに利用するという。

 同校がある小湊集落には、「十五夜綱かつぎ」と呼ばれる行事が伝わっている。集落内の厄払いをする行事で、旧暦八月十五日の前日に稲わらで綱を作り、十五夜の日の夕方に綱を引いて地域を歩いて回り浜に下りて綱で囲い土俵を作る。その土俵で相撲を取り、その後で綱は海に流して終了となる。同校は綱かつぎを、「地域ぐるみで子どもを育てるすばらしい活動」と位置付けている。