観光地連携事業で、大和城すそ野エリアの「上名道森林公園」などの魅力もアップ(天城町提供)
【徳之島】2017年度の遊歩道など整備で着手した「大和城(やまとぐすく)」観光地連携整備の18年度事業では新たに、大和城のすそ野周辺一帯を対象にした上名道(うえなみち)森林公園の再整備がこのほど完成した。世界自然遺産登録も見すえた自然林散策型、中世史跡~戦争遺産にもふれ合えるゾーンとして魅力も高めた。
「大和城」は標高251㍍。山頂には中世期の按司(あじ)居城の山城とされる石垣群があった。第2次世界大戦時は、戦局悪化による米軍の上陸に備えて旧日本軍(奄美守備隊・独立混成第64旅団)の戦闘指揮所が構築され、破壊されたトーチカの一部が残存し、中腹には軍人山寺の祭場も。自然環境にも恵まれ、山頂からは東シナ海や町内が一望できる。
大和城観光地連携整備は、同町が奄美群島成長戦略推進交付金事業で13年度から年次計画で着々と進めた▽町南部の景勝地「犬(いん)の門蓋(じょうふた)」公園▽町北部の景勝地「ムシロ瀬」公園=いずれも奄美群島国立公園指定=の改良整備に続く一環。17年度は、登山路階段と大和城頂上(第1展望所)―尾根伝い第2展望所間を結ぶ遊歩道(約720㍍)や植栽、手すり、自閉式扉、案内板、道標、ベンチなどを整備・設置した。
そして18年度は、同すそ野一帯で①「上名道森林公園」入口整備②公園サイン(英語表記)③休憩地(2か所)④同公園案内板⑤上名道丘園地整備⑥駐車場・トイレ・植栽⑦野外卓・ベンチ設置など計12分野を整備(事業費4720万円=国50%・県10%補助)。多彩に憩えるゾーンとして魅力を高めた。
同町商工水産観光課によると、19年度は引き続き同森林公園の整備を検討。大和城関連同事業の全体計画は5年前後を見込んでいる。