市議会一般質問

新年度から地権者との用地交渉が再開されるおがみやまバイパスが計画されている永田橋通りと末広本通りの交差点

新年度から用地交渉再開
おがみ山バイパス 計画地残り2割地権者と
不登校、長期欠席児童生徒は3.2%

 奄美市議会3月定例会は6日、引き続き一般質問があり、弓削洋平(チャレンジ奄美)、関誠之(社民)、正野卓矢(チャレンジ奄美)、奥輝人(自民)の4議員が登壇した。同市名瀬永田町と名瀬真名津町を結ぶ国道58号「おがみ山バイパス」事業計画について、新年度から地権者との交渉などを再開することを明らかにした。奥輝人議員の質問に対し回答した。

 県などによると、同バイパスは全長1・8㌔(トンネル1・2㌔)で、総事業費は約140億円。計画地(約1・4㌶)の土地取得については全体の約8割(1・2㌶)を取得済みとなっている。市は、県に確認した内容として、残る2割の地権者について新年度から交渉を行う予定を示す一方、事業全体の進捗状況や完成予定については「現在、補償費の再算定、設計の見直しなどを行っており、進捗率は示せない。これから用地交渉が行われるため、交渉によって延びる可能性もある」などとし、完成時期などは明らかにしなかった。

 奥議員は「一刻も早い完成を目指し、県と連携してほしい」と早期の着工と供用開始を求めた。

 同バイパスは1998年に都市計画決定し2002年に事業着手したが、09年度に事業の先送り方針が決定した。市議会が17年3月定例会で早期再開を求める意見書を可決、18年2月には朝山毅市長が県に整備促進を求める要望書を提出するなど事業再開を求める地元の動きを受け、県が19年度から事業再開。設計の見直しなどを進めている。

 関議員は市内小中学校の不登校児童の現状などについて質問。市教委は1月現在の不登校者数として、小学生が5人(児童数2521人)、中学生が15人(生徒数1212人)で、30日以上の長期欠席者(小学生29人、中学生72人)を含めると全体の3・2%に上ることを報告した。

 正野議員は大浜海浜公園の砂の流出問題について質問。市は18年度に「タラソ奄美の竜宮」奥の砂浜から利用者の多い第1駐車場側の砂浜へ砂を移設するなど対応、「新年度は小宿漁港沖に堆積する砂を大浜へ移設する」とした。また、海岸の岩や石を詰めた重さ約2㌧の「袋詰め玉石」を設置し、波消し効果と砂の減少について経過観察するとした。

 弓削議員は同市住用町のタンギョの滝の観光地としての活用などについて質問。同滝は落差約120㍍と九州一の規模の可能性があることから、市は「今後ドローンなどを活用し落差などを調査し、「重要な観光資源として活用する」方針を示した。