川元監督(大島地区)インタビュー

川元監督(大島地区)インタビュー

大会結果を振り返り強化を見直し巻き返しを誓う川元監督

大島チームは昨年の記録を17分余り短縮したが他チームのレベルアップで総合10位に甘んじた

県下一周駅伝振り返って
質の高い強化を痛感
地元で公認記録会 機運盛り上げ開催へ

県内12地区の選手252人が5日間(53区間)計584・1㌔のコースで健脚を競う第67回県下一周駅伝大会は、姶良チームが総合優勝。前年度9~12位で争われるCクラス優勝が目標の大島チームは、4年連続の10位に終わった。前任の備秀朗監督を引き継いで、第63回県下一周駅伝大会から大島チームの指揮を執る川元英経監督(43)に、大会結果を踏まえ今後の強化方針などを聞いた。

―総合10位で大会を終えたが感想などは。

Cクラス優勝の目標を掲げ臨んだが、有力視していた指宿チームに初日から離されてしまった。日間順位も一桁を目指し頑張ったが、最終日まで浮上できなかった。初日から3日目まで雨や風が強い条件でのレースで、コースの気温と風に不慣れな点が出たかもしれない。その半面、体調を崩す選手はいなかったので、期間中はベストの布陣で行けた。鹿児島工業高校に勤務する喜界島出身の來=きたる=龍平さんが、トレーナー見習いを連れて来てくれ、ボランティアで選手のケアに当たってくれたことも大きかった。最終日には昨年より15分縮めるだろうと思いオーダーを組んだが、想定以上に走ってくれて20分以上短縮したのは良かった。ただ他チーム全てがレベルアップしていて、これまで最下位だった伊佐チームが前を走る光景はショックを受けた。5日間合計で指宿チームには差をつけられ、下位の伊佐、熊毛チームには差を詰められてしまった。

―厚底シューズの影響も聞かれるが。

シューズのせいにしたくはないが、区間新記録が続出したので県下一周駅伝は高速化したと言えるだろう。(厚底シューズは)疲れが残らないこともあるが、速く走るためのフォームづくりが改めて必要だと認識させられた。

―今後の強化については。

相手チームのエース級が走る主力区間で耐えられる社会人選手の育成を行い、関係者と連携して選手のモチベーション向上につながる地元でのレースを増やしたり受け皿となる環境の改善が図れたらいい。本土のチームは、1月から大会直前まで毎週のように合同練習している。大島の場合は奄美大島以外の選手は、なかなか練習の様子や選手の調子を見られない。それ以外の島の選手は、選考会から大会まで多くて3~4回しか見られなくて、それでメンバーに登録しているのが現状。質が高くより実戦に近い練習になるよう、強化方針を変えなければならないと思う。選手からも「合同練習以外の練習方法を、自分で考えて取り組む必要がある」の声もあり、一人で練習する選手は、どれだけやれているか自身で考えてやっていくべきだろう。

―地元で公認記録会を開催できないかとの提案がある。

チーム力強化には公認記録会があれば大いに役立つ。審判員のスキルなど運営に関するさまざまなハードルあるが、開催できれば島外からも選手を呼べて奄美で合宿する実業団などの選手も参加が見込めるのでないか。大島地区陸上協会などが音頭を取り、協会のホームページを作成し情報発信に努め機運を盛り上げて公認記録会開催につなげられればと思う。

―新型コロナウイルス対策で市の運動公園が休園しているが。

影響はあるだろう。合宿に来ることを自粛しているチームもいる。奄美大島の選手たちは週2回名瀬運動公園などで練習を積んでいるが、市の休園措置に合わせて今は合同練習を遠慮している。ただ個人練習については、各選手が取り組んでいる状況。何とか実業団選手や県内他地区の主力選手と走れる機会を増やし、次回大会では巻き返して好成績を残したい。