「奄美をスカイブルーの島に」

ぴあリンク奄美駐車場にブルーゾーンを設置する同協議会のメンバーら(提供写真)

完成したブルーゾーンを紹介する同センターの福崎さん

ぴあリンク奄美でブルーゾーン設置
低コスト・短時間でユニバーサルデザイン化可能

 奄美地区障がい者等基幹相談支援センター・ぴあリンク奄美(大津敬センター長)で14日、ブルーゾーン(思いやり駐車場・譲り合い駐車場)が設置された。車いす利用者をはじめ、妊婦や高齢者など、配慮を必要とする人がお互いに譲り合って使える駐車場。さまざまな施設や店舗ですぐに導入できるユニバーサルな取り組みとして、奄美全体に広げることを目指す。

 一般名詞としての「ブルーゾーン」は、健康で長寿な人が多く住む地域を指す。一方長寿の島・奄美で設置されているブルーゾーンは「思いやり駐車場」「譲り合い駐車場」とも呼ばれ、駐車場の一部がスカイブルーで塗装されている。一般的な身体障がい者用駐車スペースと異なり、高齢者や妊婦など「配慮が必要なすべての人のために譲り合って使う」ことをコンセプトとしたスペースだ。

 同相談支援専門員の福崎伸悟さんによると、配慮される側が一方的に譲られるのではなく、全ての人がお互いに思いやって空けておくスペースであるという。奄美地区地域自立支援協議会が推進している。すでに奄美大島内各市町村の公共施設やスーパーなどで導入されているが、今回同センターにも新設された。

 設置に当たっては、同センター職員と島内5市町村の担当者など、同協議会のメンバーが協力して塗装。塗料などのコストは2万円以下で、1時間程度で完成した。このように低コスト・短時間で、自分たちの手で導入できるのがブルーゾーンの特徴だ。

 障がい者用トイレなどユニバーサルな設備を備えた施設は多いが、外からでは分かりにくいという課題がある。一方、ブルーゾーンは駐車場なので外から目につきやすく、ユニバーサル設備がある施設だと伝わりやすい。スカイブルーは色覚異常を持つ人にも判別しやすいという効果もある。

 福崎さんは「ブルーゾーンは車いすマークと組み合わせて表示することもでき、狭い駐車場でも取り入れられる。スカイブルーは奄美の空や海を連想させ、訪れる人たちに『思いやりの風景』として定着してほしいという狙いもある。これまでユニバーサルデザインに関心のなかった人たちにとっても、気づきのきっかけになってくれれば」と話した。