山村留学生3人が卒業

山村留学生3人も学び舎から旅立った

宇検村・阿室小中卒業式
「温かい応援で成長できた」「いつか恩返ししたい」

 宇検村の阿室小中学校(大庭新吾校長)は17日、同校体育館で第72回卒業式を行った。小中合わせ4人が卒業。山村留学生として阿室集落に移住してきた3人も、教職員、保護者や在校生などに見守られ新たな旅立ちを迎えた。

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止措置として、同村教育委員会は村内の小中学校を今月2日から15日まで臨時休校として16日から学校を再開。同校は16日を卒業式の準備や予行練習を行う日として、卒業式を17日に延期していた。

 また卒業式では、登壇者のあいさつを短縮し来賓も人数を絞り込んで、地域の人にも出席を遠慮してもらい保護者とその家族の参加のみにしたという。受付時には高熱がないか参加者の体温測定も行われた。

 卒業生を前に大庭校長は式辞で、「卒業証書には、学校でのいろいろな学習活動や仲間との大切な思い出が詰まっている。感謝の気持ちを忘れないで、自分をさらに高めてもらいたい」と話した。

 同校を卒業する山村留学生は、小学6年生1人と中学3年生2人の計3人。関東から移住し4年間を過ごした村上史苑君(15)と、シンガポールから転校し母親の実家から3年間通った小幡萌絵さん(15)・恵菜さん(12)姉妹は、在校生からのお別れの言葉を聞いて涙を浮かべていた。

 中学校答辞で小幡萌絵さんは、「阿室校ではマンツーマンの授業で理解が深まり、たった一人のクラスメートとの授業も楽しかった」などと振り返った。村上君は、「地域の人や両親に成長した姿を見せられるよう、目標目指し頑張っていく。いつかこの地に戻り、恩返しをしたい」と述べた。

 校歌を斉唱後に卒業生たちは、保護者などが作る花飾りのアーチの下を担任に引率され退場。卒業生たちは式後に、出席者から拍手や激励の言葉を受け、新生活への希望を胸に校舎を後にした。

 卒業証書を手にした村上君は、4月からいちき串木野市の神村学園高等部調理科に進学。「最初は慣れるまでいろいろ大変だったけど、地域の人に顔を覚えてもらい温かい応援があり大きく成長できた」と山村留学生活を振り返った。