奄美産真珠の魅力を全国に

会場を訪れた人たち

ホテルウエストコートで展示会
「島を挙げてPRして」

 瀬戸内町古仁屋の奄美サウスシー&マベパール㈱(野村嘉嗣社長)の展示会「AMAMI PEARL COLLECTION 2020」が、奄美市名瀬入舟町のホテルウエストコート奄美で行われている。白蝶貝から作られる白蝶真珠や、奄美でしか養殖されていないマベパールなどの製品が並ぶ。3月22日まで。

 20日、同ホテル1階の会場には多くの人が訪れた。瀬戸内町産真珠を使用したペンダントやイヤリングなどのアクセサリーが訪れた人の目を楽しませた。同社は瀬戸内町加計呂麻島で真珠の養殖を行っている。同町古仁屋と奄美空港に店舗を構える。日頃両店舗を訪れることができない人のために今回展示会を開催した。同ホテルでの開催は6年ぶり。

 白蝶真珠は熱帯地方に生息する白蝶貝から作られる真珠で、金色がかったカラーが特徴。奄美大島が養殖可能な北限で、国内では同社のみが養殖している。同社によると、白蝶貝にとっては寒い環境になるため、ゆっくりと成長する。それによりきめが細かく良質な真珠ができるという。

 マベパールの母貝であるマベ貝は、日本では主に奄美大島から沖縄にかけて生息する。生息数が少なく、潮流の速い水道部に生息するため天然真珠の採取が難しく、希少性が高い。養殖下では、貝に円形の核を入れると円形の真珠が、ハート形の核を入れるとハート形の真珠が取れる。同社ではこれを利用して様々な形のアクセサリーを生産している。多彩なカラーが魅力で、「虹珠(こうじゅ)」とも呼ばれる。

 会場を訪れた同市名瀬の武喜代美さんは「奄美には大島紬など多くの特産品があるが、真珠もそれらと並んで知られてほしい。島を挙げてPRしてほしい」と話した。同市名瀬の森山トミ子さんは「『あまみならでは学舎(県立奄美図書館講座)』で見た真珠貝の美しさに感動して奄美の真珠が好きになった。東京に住む娘に送りたい」と話した。

 瀬戸内町におけるマベパール養殖の歴史は明治時代にまでさかのぼる。1910年に同町油井小島と俵小島で養殖されたのが始まりとされる。同社の渡山香月販売本部課長は「100年以上の歴史を持つ美しい真珠。技術の高い職人もそろっている。これからもずっと守り続けていきたい」と話した。