海の安全、コロナ終息祈る

神事を行い今年一年の海での安全やコロナ終息を祈る参列者たち

サンガツサンチ 笠利町用安で海開き
浜下れ中止し神事のみ

旧暦の3月3日(サンガツサンチ)にあたる26日、奄美市笠利町用安の奄美リゾートばしゃ山村のビーチで「海開き」があった。今年は新型コロナウイルス感染症防止策のため、浜下れを中止して神事のみを実施。本格的なシーズンを前に参列者ら約50人は、清祓いなどで手を合わせて、海での安全や無病息災、新型コロナのいち早い終息を祈った。

毎年多くの人でにぎわう伝統行事だが、今年は規模縮小・行事短縮で実施。初節句・足つけの儀などを行う浜下れの中止は、これまででも初めてだという。

神事では、高千穂神社神主が祝詞奏上や玉串奉典を行い、子どもたちの健やかな成長を祈願。唄者・久保文雄さんがシマ唄奉納で、今年一年の海での安全を願った。

式後は、笠利総合支所産業振興課・対知健さんが海開きを宣言。例年より静かな浜辺では、赤ちゃんの足を海水につけたり、バナナボートを楽しむ観光客の姿も見られた。

同ばしゃ山村・奥篤次社長は「コロナの終息を願う意味でも神事のみにした。島は何かあるとお天道様に祈りを捧げてきたが、訪れる皆さんの安全に関わることなので致し方ない」と経緯を説明。佐賀県から両親と帰省中だという小学4年生の女子児童は砂浜で遊ぶだけにとどめ「海が好きなので、帰るまでに一度は泳ぎたい」と残念がった。

なおこの日は、同市名瀬の大浜海浜公園でも浜下れは中止。関係者が参加し、神事のみ執り行った。