番号札と、待ち人数が表示されたスマートフォン
間隔を開けて座る来庁者たち
奄美市市民課では、異動シーズンに伴う窓口の混雑を避けるためさまざまな対策を講じている。申請書の様式をインターネットでダウンロードしたり、待ち時間を知ることができる仕組みがある。特に今年は、人の密集を避けて新型コロナウイルス感染症を防ぐ意味合いもある。市役所職員によると、例年4月1日に転入者が集中するため、開庁時間延長・土日開庁をするなどして1日に来庁者が集中しないよう取り組んでいる。
27日、同市役所市民課の待合室では、3人掛けのベンチの真ん中部分に「間隔をあけてお待ちください」との貼り紙がされ、来庁者は隣り合って座らないよう間隔を開けていた。
同課主幹の川畑ますみさんによると、16日に30人だった転出者は23日には68人、24日には81人まで増加。前週に比べ2倍以上に増えている。例年3月が異動や進学・就職に伴う転出者のピークで、窓口が混み合う。
総務省は今月10日、新型コロナウイルス対策で、転出届を郵送で提出できるようにすると発表した。奄美市でも、混雑を避けるためさまざまな対策を取っている。同市の公式ホームページから、各種申請書をダウンロードできる。あらかじめ自宅で記入して持っていけば、庁舎内の記帳台で記入する時間を節約することができる。
また、受付時に取る番号札にはQRコードが付いており、読み込むと現在の待ち人数を知ることができる=写真=。待ち時間を使って、他の用事を済ませることが可能だ。
新型コロナウイルス感染症対策にも取り組む。職員は全員マスクを着用し、来庁者が少ない時間を見計らってボールペンや記帳台の消毒を行っている。
川畑さんによると、4月1日は転入手続きの件数がピークを迎える見込み。1日に来庁者が集中しないようにするため、平日は1時間開庁時間を延長する。30日から4月3日までの期間、午前8時30分から午後6時15分まで開庁。4月4日・5日は土日開庁を行う。開庁時間は午前8時30分から午後5時15分まで。
同市からの転出のため訪れたという吉松里美さんは「QRコードで待ち人数が確認できることは知っていたが、申請書をダウンロードできることは知らなかった。利用していれば時間短縮になったかもしれない」と話した。