わたしたちにできる新型コロナ対策

新型コロナウイルスの対策について語った向井会長(2日、奄美市名瀬むかいクリニック)

「正しい情報もとに正しい行動を」
大島郡医師会・向井会長

 奄美群島初となる新型コロナウイルスによる感染者が1日、和泊町で確認された。群島内に不安が広がる中、大島郡医師会の向井奉文会長(むかいクリニック院長)は「来るべき時が来た。新聞・テレビ・ラジオなどから正しい情報を得て、それに基づいた正しい行動をとってもらいたい」と住民に呼びかける。向井会長に私たちができる感染症対策について改めて聞いてみた。

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 まず私たちにできる対策として、▽マスクの着用▽手洗い・うがい▽密閉・密集・密接(いわゆる「3密」)―を徹底すること。予防のためのマスクが不要という世界保健機関(WHO)の発表もあったが、向井会長は「飛沫が感染源なので、予防のためのマスクも大切」と呼び掛ける。

 卒業旅行・春休みシーズンで島外からの観光客が多いことについて、向井会長は「できるだけ距離をおき、オープンなスペースで接し、具合が悪くないかをしっかり確認すべき。(来島前に)3密のエピソードがあるかを聞くことも大事。こうした対応は今の状況では失礼にあたらない。飲食店ではマスクを着用し、できるだけ近くで接しないようにするように」。

 異動で島外から赴任した人については、職場内で距離を置くのに限界がある。こうしたことから「転勤して2週間は、健康に少しでも問題があれば、休ませるなど会社全体として配慮する必要がある」としている。

 長期にわたる自粛ムードの中、“不要不急の外出”の自粛を求める自治体もあるが、これについては、「早く終息させるための一番の近道。どんなに苦しくても不安でも徹底して守ってもらいたい」。また、「感染しても重症化するのは約20%。そのほかは軽症。過度に心配しないこと。心配があれば、保健所や最寄りの医療機関で正しい情報を得てほしい」と語った。