手話通訳も交え、奄美市で2人の感染者が出たことを発表する三反園知事(右)
【鹿児島】県は17日、奄美市在住の40代男性(自営業)と同居する30代女性(パー
ト社員)の2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内では5、6例目の
感染者となる。三反園訓知事が県庁で記者会見し、明らかにした。
会見によると40代男性は4月3、4日の両日、埼玉県からやってきた男性と釣りを
して過ごした。この男性が4日に発熱。6日に東京に戻り、8日にPCR検査を実施
したところ陽性と判明した。
40代男性は12日に発熱、同居する30代女性は15日にのどに違和感を覚え、2人とも
17日に帰国者・接触者外来を受診。PCR検査により陽性が判明した。17日時点で2
人とも県内の感染症指定医療機関に入院しており、倦怠感、呼吸困難などの症状はな
いという。
2人の聞き取りから、それぞれ6人ずつ計12人の濃厚接触者が判明しており、18日
にPCR検査を実施する予定。17日時点で体調を崩すなどの症状が出ている人はいな
いという。
県内で新たな感染者が発生したことなどを受けて県は緊急事態宣言の特別措置法に
基づき、県内の小中高校、大学など全ての学校に4月22日から5月6日までの休業を
要請。ただし保育園、幼稚園や学童保育施設などは保護者の就労などの観点から要請
はしない。今回の感染者は奄美市での発生だが三反園知事は「あくまで特措法に基づ
く協力の要請。最終的な判断は各教育委員会や学校設置者が、それぞれの地域の事情
なども考慮して独自に判断することが可能」という。
県内ではこれまでに4人の感染者が発生したが、いずれも県外からの移動者。今回
は県外からの移動者と接触した県内在住者が感染した初めての例となる。三反園知事
は「県境をまたいだ移動によって感染が拡大したことになる。今後県外からやってく
る人へのどのような対応をとっていくか、ますます重要になってくる」と語った。
また県は緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大したことを受けて、奄美パーク、県
立奄美図書館などを含む文化、観光、スポーツ施設など、不特定多数の人が利用する
県有施設の利用休止も発表した。