驚きと不安募らせる

驚きと不安募らせる
コロナ感染者の発表から一夜 「ついに地域から」
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 ついに地域から感染者が出てしまった――。県は17日夜、奄美市内に住む男女2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県本土に比べ医療体制が不十分な離島域での発症に、感染防止対策は重要となる。一夜明け、驚きと不安を募らせる市民の声を聞いた。

「意識変わった」「感染防止へ」

 医療機関に勤務する40代女性は「複数同時に感染者が出たことで意識が変わった。子どもがいるので、家庭内での感染対策を一層徹底したい。職場の感染リスクにも注意したい」と気を引き締めた。

 また無職男性(73)は「(感染で)持病が悪化する可能性があるので出歩かないようにする。趣味のグラウンドゴルフも当分しない」。高校3年男子は臨時休校措置が断続的に続いていることに触れ、「今年は受験なので、休校期間が長くなると学業の遅れが心配」などと生活への影響を危惧した。

 市街地の店舗関係者は、春の観光シーズン中は島外からの観光客が多かったことから「(コロナ発生は)出るべくして出た」と指摘。臨時休業に入る店舗が増えており、外出自粛の要請による売り上げ減少に危機感を高める。

 衣料品店の男性(38)は「開店時間を従来から2時間短縮したが、今後さらに短縮することも考えたい」。エスニック料理店を経営する男性(39)は「店舗内の食事は中止し、配達やテイクアウト中心に切り替えたい。店内で働いていた妻も自宅にいてもらい、業務は自分と従業員だけにする」。各店とも売り上げへの影響は避けられないとした。

 日本料理店を経営 する60代女性は「奄美だけなく、世界的に大変な状況なので経営面に不安を口にしてもしょうがない」とした上で、「これを機会に市民一人一人が感染防止につとめ、周囲にうつさないよう心掛けることが大切では」と話した。

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 県が発表した市内在住の感染者2人の行動(本人からの聞き取り)によると、40代男性は今月2日、埼玉県の男性を奄美空港で出迎え。3~4日の2日間、遊漁船で釣りに出掛けたという。5日、埼玉の男性は島内のホテル滞在中に発熱。6日、市内男性は同空港から帰る埼玉の男性を見送っている。

 その後、市内男性は、10日は自宅で過ごしたが、11日は島内の男性6人と遊漁船で釣りに出航、帰宅した。

 12日以降、37~38度台の発熱が続き、咳も出始めたため、16日に帰国者・接触者外来を受診、検体を採取。17日午後6時、PCR検査で陽性が判明した。

 男性と同居する感染者の30代女性は、14・15日はパート勤務先に終日出勤。15日はのどに違和感があったため、16日に帰国者・接触者外来を受診、検体を採取。男性と同じく17日午後6時、PCR検査で陽性が判明した。

 2人はいずれも感染症指定医療機関に入院しているという。

 なお濃厚接触者については、男性側が6人で、11日に釣りに同行した40~70代の男性。また女性側は6人で、勤務先の5人と家族1人の10~60代の男女。いずれも島内在住者としている。