奄美大島5市町村「緊急共同メッセージ」

緊急共同メッセージで不要不急の外出自粛を求めた5市町村の首長

「島外からの来島、旅行控えて」
島内初感染受け不要不急の外出自粛要請

 奄美市在住の男女2人が新型コロナウイルスに感染したのを受け、奄美大島の5市町村の首長5人が18日、奄美市役所で共同記者会見を開き、島外からの来島と、島民の島外への旅行などを控えるよう呼びかける「緊急共同メッセージ」を発信した。住民らに不要不急の外出自粛など感染拡大を防ぐ行動をとることも求めている。

 メッセージは5市町村で発足した対策協議会を同日開催し、決定したもの。会長を務める朝山毅奄美市長が、「高齢者も多く、万一感染が蔓延(まんえん)した場合は医療体制が維持できないことも危惧される」などとし、「水際対策を強力に進め、島内における感染拡大を絶対に阻止するための行動を」求めメッセージを読み上げた。朝山市長は、隣接する市町村間など島内移動についても「不要不急の外出はできるだけ避けてほしい」と自粛を求めた。

 具体的な対応として▽島外から奄美大島、奄美大島から島外への不要不急の帰省や旅行は極力さける▽医療機関への受診、職場への出勤、買い物など必要最小限の活動を除き外出を自粛▽手洗いや咳エチケットに加え、家庭、職場での「密閉」「密集」「密接」の3密を避ける▽感染者や医療関係者およびその家族に対する不当な差別や偏見、風評被害につながる行動(根拠のないうわさ話やSNSでの拡散)を慎む―の4項目。各市町村のホームページに掲載するほか防災行政無線などで呼び掛ける。

 水際対策については、現在、奄美空港や離島航路の各港などで実施している体温チェックなどに加え、37度5分を超える高熱のある利用者について、その後の行動などの追跡調査を実施するよう、週明けの20日にも県に文書で要請する。医療体制についても、「必要な病床数、医師、看護師を含め、十分な医療体制が確保できるよう要請する」考えを示した。