休校で児童クラブ受け入れへ

マスクを着用し児童クラブで過ごす児童ら

奄美市 3月に比べ利用者は減少
龍郷町は原則閉鎖 低学年限定で受け入れへ

 奄美市の小中学校で休校措置が始まった20日、市内の放課後児童クラブ11施設では、3月の休校時同様、受入れ時間を拡大し、子どもたちを受け入れた。ただ、3月の休校時に比べ、受け入れ児童が大幅に減ったクラブもあり、関係者は「市内で感染が確認されたことから保護者も今まで以上に危機感を持っているのでは」と話すなど、感染への不安からクラブの利用を控える保護者も増えているようだ。

 3月の休校措置に引き続き、児童を受け入れることとなった学童施設では、市内で感染者が発生したことから、「これまで以上に換気や手洗い、うがいなどの対策を念入りにするよう心掛けている」と言い、ほとんどの施設で、3月は実施していなかった児童へのマスク着用を呼び掛けている。

 伊津部小学校の児童を受け入れている同市名瀬小浜町のあおぞら
児童クラブはこの日、78人の登録児童のうち、25人が利用。施設内には児童らの元気な笑顔があった。ただ、3月よりも利用者は20人近く減っており、同クラブ主任支援員の川内美和子さん(56)は、「『3密』を避けるためにも、受け入れ人数をできるだけ減らす必要がある。共働き世帯などにも、趣旨を理解してもらい、できるだけ自宅待機や親類宅などの利用が可能な家庭には、クラブ利用を控えるよう協力してもらった」と説明。感染対策として「密閉」「密接」「密集」の3密を避けるため、室内では小声での会話や、食事はある程度の間隔を保つよう心掛けた。

 奄美小学校の児童を受け入れている奄美市名瀬古田町の「たんぽぽ児童クラブ」も20日、約40人の登録児童の約半数にあたる23人が利用、30人以上の利用があった3月に比べ、利用者は大幅に減った。

 同クラブの支援員の女性(47)は「感染リスクから利用を控える保護者もいる。できるだけ、3密を避けるよう心掛けているが、子どもたちは、どうしても距離感が近くなりがち。利用者が少なければ、その分感染リスクも低くなる」などと話した。

 奄美地区児童クラブ連絡協議会の会長も務めるあおぞら児童クラブの川内主任は、支援員の負担軽減の必要性も指摘する。「3月の休校措置を何とか乗り切り、やっと通常通りの運営に戻ったばかり。ほとんどの施設がぎりぎりの人数で受け入れており、支援員の多くが休みなく働いている。休校が長引けば、保護者だけでなく、支援員の負担も大きくなる」などと、不安な胸中を語った。

 龍郷町は町内の児童クラブ3施設について、基本的には閉所し、1人での留守番が難しい低学年の児童のみ、例外的に受け入れる方針。同町の担当者は「感染リスクを考慮し、できるだけ自宅待機をお願いしたい」としている。

 奄美市、龍郷町ともに保育園や幼稚園は通常どおり開園しているが、いずれも家庭内での育児が可能な場合は登園を控えてもらうよう要請。感染防止のため接触を極力避けるよう呼び掛けている。