行楽地や観光施設人まばら

案内所が休業し閑散とするあやまる岬観光公園(午前10時5分ごろ)

搭乗手続き中も人がまばらな奄美空港(午前10時42分ごろ)

大型連休、静かな幕開け
奄美空港 小売店、営業を自粛目立つ

 新型コロナウイルスの感染拡大で、来島・外出自粛が呼び掛けられる異例の大型連休が25日から始まった。奄美大島の主要観光地・奄美市笠利町や龍郷町方面でも26日、行楽地の人通りはまばらで、宿泊・観光施設の休業も目立った。東京都では「命を守るステイホーム週間」と位置づけ自宅待機への協力を呼び掛けているが、奄美のゴールデンウィークも静かな幕開けとなった。

 例年は多くの観光客が訪れる笠利町のあやまる岬観光公園だが、この日は観光案内所も休業し、人通りはわずか。午前中は時折立ち寄る車も人が降りることはなく、通り過ぎるだけだった。

 同海岸で犬を連れて散歩していた同町宇宿の女性(51)は「時期外れの平日みたい」と驚いた。「GWなのに人もいなくて車も少ない。私だけが歩いていて、散歩もいけないのではと疑心暗鬼になってしまう」と苦笑いした。

 龍郷町でも、主要な施設は休館・休業。宿泊施設や飲食店には休業を知らせる張り紙などが出され、海岸ではサーファーや釣り人がわずかに見られる程度だった。

 同町手広海岸で釣りをしていた近くに住む男性(68)は「一応、人がいないのを確認して始めた」と警戒。「午前中は観光客らしき人もいたが(雨が降りはじめ)すぐ帰った」とし「静かで過ごしやすくもあるけど、いざ人がいないと少し寂しさもある」と話した。

 同市笠利町の奄美空港では、半数程度の小売店がシャッターを閉めるなど営業を自粛。同空港の日本航空によると、この日午前11時現在の最大乗客数は午前・鹿児島行の35人。東京・大阪便を問わず、平均乗客数は各5~10人程度で、GW期間中の予約状況も「ここまで少ないのは例がない」という。

 現在、同空港の奄美発着便は通常18便を11便に縮小し運航している。同担当者は「(利用者は)本当にどうしてもという方ではないか」と分析。全国各地、新型コロナウイルス拡大防止への理解・協力の広がりがうかがえる。