田植えをする児童ら
田植えを終えた水田を前に笑顔の児童ら
奄美市名瀬西仲勝の大川小学校(前田浩之校長、児童32人)で13日、黒米の田植えが行われた。同校では水田で黒米を栽培し、給食センターに卸したり、文化祭で販売するなどしている。高学年は慣れた手つきで作業を進め、田植えを始めて経験する1年生はおっかなびっくり水田に足を踏み入れていた。
同校の校庭の片隅には、10㍍×20㍍ほどの広さの水田が水をたたえている。地域住民が耕運機で耕し、児童らと教職員が手入れしているものだ。この水田では3年前から黒米が栽培されている。以前はもち米を栽培していたが、より手入れが楽で収穫量が安定している黒米に切り替えたという。
13日、1年生から6年生までの児童らは靴を脱ぎ、稲の苗を手に水田に入って田植えを行った。苗を一列にまっすぐ植えられるよう教職員が指揮をとる。作業の先陣を切ったのは5、6年生で、慣れた手つきで手際よく苗を植え付けていった。
次いで3、4年生、1、2年生が続いた。1年生は水田に足を踏み入れるのもおっかなびっくり。泥に足を取られながらも、6年生の補助を受けて懸命に作業していた。
上村直教頭によると、西仲勝地域はもともと稲作が盛んだったが、現在は水田が減少しているという。児童らに地域の伝統的な農業を知ってもらおうと、郷土学習の一環として黒米栽培が始まった。田植えから雑草取り、稲刈りまですべて児童らが行う。作業の中で水田の生物を観察したり、収穫した米でおにぎりを作るなど、環境教育・食育の側面もある。
収穫した黒米は給食センターに買い取られ、奄美市の小中学校の給食として提供されるほか、同校の文化祭で販売される。昨年は17㌔の米を収穫したという。
田植えを行った4年生の尾込桜花さんは「おじいちゃんの家に田んぼがあって、手伝いをしているので慣れている。楽しかった」と話した。同じく4年生の満田ろろさんは「早く黒米を食べたい。おにぎりをつくりたい」と笑顔を見せた。
記者は初めての田植え。水田の泥に足をとられ、歩くのもやっと。児童の皆さんに植え方を教わりながら挑戦しました。苗を適切な量に分けて植えるのは見かけより難しく、スピーディに植えていく児童の皆さんを尊敬しました。
田植えをしながら、横に並んだ女の子たちに将来の夢を聞いたところ「大型トラック運転手」「警察官」とジェンダーレスな答えが返ってきて、聞いている方もわくわくしました。(佐々木菜々)