独自授業で郷土愛を

指導員に教わりながら黒糖作り体験する名音小・今里小の児童たち

大和村、今年度からスタート 名音小・今里小共同で黒糖作り
体験や講話で地元産業身近に

 大和村の貴重な伝統や文化、産業や自然など郷土を学ぶ郷土学習「大和の名を誇りに思う教育(仮)」の授業が4日、同村の名音小学校であった。テーマは「黒糖作り」で、同小(福和人校長、14人)と今里小(中村利之校長、7人)が合同で実施。両校児童たちは、黒糖作り体験やサトウキビにまつわる歴史講話などを通して、地元発祥の産業を身近に感じた。

 授業は、古里への誇りと愛情を育んでもらおうと同村教育委員会が推進。今年度がスタートで、独自授業として各機関と連携しながら、地域の魅力を深く学んでいく。

 この日はまず、同村・晨原弘久教育長が講師となって色鮮やかなイラストなどを参考に、奄美の黒糖の歴史に耳を傾けた。同村の直川智が海外からサトウキビを持ち帰り、日本でいち早く栽培が始まったのが大和村だと知ると、児童たちは興味津々。黒糖地獄と呼ばれる薩摩藩の圧政には、「ずるい」と声を上げるなど、力も入った。

 黒糖作りでは、県立奄美少年自然の家の職員に指導を仰ぎ、児童が主体となって全ての製作工程を体験。児童らは、自ら育てたサトウキビをしぼり機にかけ、鍋に煮立つ黒糖を交代でかき混ぜるなど、共同作業で伝統の味を作った。

 黒糖づくりが初めてだったという今里小1年・森岡ミユさんは、講話は「難しかった」と話しながらも、「みんなで一緒に混ぜて楽しかった」と喜んだ。

 なお同授業は、郷土の伝統や文化、自然などをテーマに村内各校で実施。来年度は公開授業なども予定している。