「龍美館」で落成式

竹田町長(中央)らがテープカットし、オープンを祝った落成式

荒波地区の魅力発信
コロナ影響、1か月半遅れのオープン

 龍郷町幾里の飲食宿泊施設「荒波龍美館~荒波のやどり」の落成式が7日、同地であった。竹田泰典町長ら関係者が出席、テープカットなどを行い、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開館が延期されていた同館のオープンを祝った。

 同館は、「荒波地区」と呼ばれる同町の秋名、幾里、嘉渡、円、安木屋場の5集落の交流人口拡大と地域活性化を図ることを目的に、同町が2019年度、奄美群島成長戦略推進交付金を活用、事業費約1億7350万円をかけ整備した。

 体験型の交流施設として、宿泊所や飲食スペース、移住・空き家相談窓口などを備えた。地域住民らでつくる一般社団法人 E,more(イモーレ)秋名(村上裕希代表理事、13人)が指定管理者として管理運営。郷土料理や体験型観光プログラムを提供することにしている。

 施設は木造2階建て(延べ床面積約380平方㍍)。1階は飲食スペース(約85平方㍍)や地場産食材などの加工室(約30平方㍍)、移住相談などができるワークショップ(約15平方㍍)などがあり、2階に客室3室(10畳2室、6畳1室)などを整備した。

 3月下旬に完成し、当初は大型連休前の4月下旬のオープンを予定していたが、コロナ禍によって休業を余儀なくされた。同法人は運営費捻出のため、インターネット上で資金援助を呼び掛ける「クラウドファンディング」を実施。これまでに目標の100万円を大きく上回る150万円の支援が寄せられた。

 同法人代表理事の村上さん(38)は「多くの人に支援の手を差し伸べてもらい、ようやくオープンすることができた。感謝の思いを伝えるためにも、たくさんの人に喜んでもらえる施設になるようしっかりと運営していきたい」と話している。

 同館では、すでにオリジナルの手ぬぐいや布マスクの販売などを始めており、10日からは弁当などの販売(月、水、金曜のみ)も開始する。コロナ対策のため当面はテイクアウトのみで店内での飲食や宿泊客の受け入れは出来ないが、村上さんは「7月からの本格運営、宿泊客の受け入れを目指し、準備を進めたい。荒波地区はもとより、奄美の魅力を全国に発信できる施設を目指したい」と抱負を語った。

 営業時間は午前8時30分~午後5時30分。問い合わせは村上さん(電話090―7470―3143)へ。