名瀬でテックス板防除

今年初のミカンコミバエ誘殺を受けて奄美市名瀬地区ではテックス板を設置しての防除作業が行われた

3日は住用地区予定 市職員も連携して作業
ミカンコミバエ誘殺

 果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエが奄美市名瀬・住用地区で誘殺(雄成虫計5匹)されたのを受け2日、誘殺板(テックス板)による防除作業が名瀬地区で行われた。3日は住用地区で予定している。初日の設置数は約2千枚。

 誘殺が確認されたのは、名瀬地区が大熊2匹、知名瀬1匹。テックス板設置は誘殺地点から半径1㌔以内。設置作業には国・県の関係機関、地元自治体の奄美市農林水産課職員が参加。市職員は誘殺が確認された名瀬・住用地区を管轄する支所だけでなく、笠利支所からも加わった。

 この日は午前中、門司植物防疫所名瀬支所がある国の合同庁舎内駐車場で、準備されたテックス板に針金を通す作業(樹木の枝先などにぶら下げるため)や設置に関する説明後、誘殺が確認された大熊、知名瀬方面、さらに市街地に分かれて設置作業。午前、午後にかけて名瀬地区での作業を終えた。3日は、2匹誘殺された住用地区を予定(約1千枚)している。

 市農林水産課営農指導係の伊集院兼卯係長は「名瀬、住用地区で同じ日(誘殺確認日は6月30日)に5カ所といきなり広範囲にわたって誘殺があり、驚いたが、国の対応マニュアル(2016年度作成)に基づいた初動対応以降は、島内での発生に至っていないだけに、今回も粛々と地元自治体として協力していきたい。3支所の担当職員が、国・県と連携して防除作業にあたることで早期対応を心掛けている」と話す。住用地区の果樹農家・元井孝信さんは「マニュアル通りに初動対応していけば発生を抑制できるのではないか。誘殺に関する情報公開も徹底され農家としては安心しており、抜かりなく対策を進めてほしい」と語った。