7候補最後の奔走、声からし支持訴え

選挙の最終日、候補者の最後の訴えに支持者が駆けつけた(11日午後7時ごろ、鹿児島中央駅前)=写真は一部修正しています

クラスターに災害発生 異例選挙締めくくる
県知事選

 「大切な1票をお願いします」「県民のために力を尽くします」――。戦後最大となる7人が立候補した鹿児島県知事選は12日投票、即日開票される。選挙戦最終日の11日、浮動票の獲得に向け、ほとんどの陣営が大票田の鹿児島市周辺で遊説。朝から雨が降りしきる不安定な天候の中、時間ぎりぎりまで“最後のお願い”に奔走した。

 立候補したのは、元高校教諭の武田信弘氏(66)、医師の横山富美子氏(73)、元KTSアナウンサーの青木隆子氏(57)、2選を目指す三反園訓氏(62)=自公推薦=、前知事の伊藤祐一郎氏(72)、前九州経済産業局長の塩田康一氏(54)、元鹿児島大学特任助教の有川博幸氏(61)の7人=届け出順=。

 第1回知事選(1947年)の立候補5人を更新する候補者数は過去最多。17日間の選挙戦で、各候補者は県本土、奄美や種子・屋久などの離島を回りながら支持を訴え。選挙期間中は鹿児島市内で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生による感染者急増。また県内各地で豪雨被害も出、各陣営は街頭演説の取り止めや遊説日程の調整を余儀なくされた。

 最終日のこの日は午後8時の時間いっぱいまで、選挙カーに乗り込みマイクで声をからして遊説。選挙終盤は雨が続き、この日も時折雨が強く降り、強風も出る不安定な天候。候補者は傘を差しながら、市内の駅前やスーパー店頭に立つと通行人や車両に手を振って投票を呼び掛けた。

 現職はコロナ対策など多忙な公務の合間を縫って活動。夕方、選挙カーが街頭を回り最後のお願い。また新人、元職は県政刷新を掲げながら、それぞれが目指す将来像の実現、県民のための政策実行を力強く訴えた。

 ある陣営関係者は新型コロナの感染防止対策、災害発生による住民感情に配慮したことについて、「クラスター発生でスタッフの予防徹底と、出入りする支援者の身元を確認し、万が一(感染者が)出た場合、対処できるようつとめた」、「道路事情を確認しながらの遊説。未対応地域へのフォローに頭を悩ませた」―。様々な点で制限され、異例の中での選挙だったことを振り返る。

 候補者の1人は「従来のような選挙活動が出来なかった部分はあったが、限られた時間の中で丁寧に思いを伝えることが出来た。結果を待ちたい」と述べた。