「奄美の森のカエルたち」

講演する松橋氏

写真を鑑賞する子どもたち

かわいくてコミカル カエルたちの森へ
奄美ならでは学舎

 奄美市名瀬の県立奄美図書館(日髙京美館長)で11日、7月の「奄美ならでは学舎」が開催された。いきものカメラマンの松橋利光氏を講師に迎え、「奄美の森のカエルたち」のタイトルで講演を行った。未就学児から高齢者まで84人が参加し、松橋氏の撮影した色鮮やかな写真に見入っていた。

 松橋氏は奄美でカエルたちの貴重な生態を写真に収め、『奄美の森でカエルがないた』(アリス館)など著書多数。会場内には松橋氏が撮影した生き物の写真パネルが展示され、会場に入った子どもたちは目を輝かせて駆け寄っていた。

 講演前半では著書『かえるといっしょ』を交えて、生き物が好きだった子ども時代や、カメラマンとしての経験を紹介。特に、氏の写真の特色と言えるのが白い背景でカエルたちの様々な表情をとらえたもの。白い背景で色鮮やかなカエルたちがコミカルなポーズをとっている写真が多く紹介された。

 続いて、奄美大島に生息するカエルの生態が紹介された。同島にはアマミイシカワガエルやアマミハナサキガエルなど9種が生息。それぞれの生息場所や繁殖の様子などをとらえた貴重な写真がスクリーンに映し出されると、子どもたちから「かわいい!」と声が上がった。

 後半では、カエルの探し方として、風景写真の中に写り込んだカエルを探すコーナーも設けられた。参加者らは大人から子どもまで目を皿のようにしてカエルを探していた。

 参加した川畑宗一朗くん(6)、晴士朗
くん(4)兄弟は「カエルがたくさん見られてよかった。面白かった」と満足げな様子だった。

 松橋氏は「カエルは水場と陸両方の環境が整っているところに生息するため、自然保護のバロメーターとも言われる。カエルの生息数が減っている地域が多い中、奄美では生息数が増えていると感じる。島の皆さんにも、もっとカエルたちのことを積極的に知って、意識してほしい」と話した。