与論で初の新型コロナ感染

20代女性1人 島内医療機関に入院中
離島での感染4人目

 県は22日、与論町在住の20代女性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。女性は現在、同町内の医療機関に入院中。県は濃厚接触者の有無を含め、職場関係者などを調査している。県内の離島で感染者が確認されたのは、4月17日に奄美市で2人の感染が確認されて以来、4人目。同町では初。県は、このほか、指宿市でも20代女性の感染確認を発表。これまでに県内で確認された感染者は計174人となった。

 県によると、同町の女性は17日に36・8度の発熱と咳やのどの痛みなどの症状があり、20日に町内の医療機関を受診した。21日に医療機関で抗原検査を行い、陽性が判明した。島外への移動や島外から来た人との接触などは分かっていない。クラスター(感染者集団)との関連は確認されていない。県は女性の行動履歴を含め、感染経路と濃厚接触者の有無などを調べている。

 同町には感染症指定医療機関がないため、21日から町内の一般医療機関に入院しているが、県は「陰圧対応など院内感染対策ができている」として、問題はないとの認識を示した。

 濃厚接触者については現在調査中で、感染者が確認された場合は「症状などを見て、搬送先を調整する」としている。

 島内で初の感染者が確認された同町は22日夜、県の発表を受けて、感染症対策本部会議を開き、今後の対応などを協議した。また、県の発表前には、町のホームページ上で、「陽性疑いの事例」を公表、町民や来島者に3密(密集、密閉、密接)を避け、マスクや手洗い、消毒など感染防止の徹底や新しい生活様式に取り組むよう要請した。

くらし保健福祉部長一問一答
「抗原検査で陽性判明」 「結果出るまで出勤していない」

 与論町で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受け、県くらし保健福祉部の地頭所恵部長は22日、記者会見を開いた。

 主な一問一答は次の通り。

―島外に出た行動は。
「今のところ確認されていない」

―職場ではマスクをしていたのか。
「職場ではマスクを常時つけていた」

―離島での発生は4月17日以来か。
「そうなる」

―感染経路不明とのことだが、市中感染が広がっているのか。
「感染経路も含めて現在調査中」

―入院しているのは感染症指定医療機関ではないのか。
「島内の一般医療機関。院内感染対策がされており、陰圧の設備が整っているところで入院している」

―職場では不特定多数の人と接触していたか。
「現在のところそのような情報は把握していない。具体的な職場の情報については控えさせていただく」

―クラスター(感染者集団)との関連がないにもかかわらず、なぜこの人が検査を受けたのか。
「体調不良があったため帰国者接触者外来で検査が必要と判断した」

―最初に症状が出たのは。
「今月17日に最初の症状が出たと聞いている」

―離島ではPCR検査はできないのでは。
「この人が受けたのはPCR検査ではなく抗原検査。PCR検査よりも短時間で結果が出るもの」

―感染が疑われるにもかかわらず出勤していたのか。
「疑わしい症状の出た方には仕事や外出を控えていただいている。21日に検査をして、その日のうちに陽性が判明した。結果が出るまでの間は出勤していたわけではない」

―今後の対応は
「離島は現在行っているサーモグラフィーや発熱者への聞き取りなどの水際対策を継続していく」

 「町民一体で取り組み」
 山元宗・与論町長メッセージ

 更なる水際対策と感染拡大防止への取組に島民一体となって取り組んでいきたい。医療機関並びに物資等には限界がある。一人一人がこれまで以上に感染予防に取り組むことが重要になってくる。また、感染された方や治療にあたる医療関係者及びその家族に対する不当な差別や偏見は決して許されない。強い危機感を持ち、自分自身への感染を防ぐとともに家族や大切な人へ感染させないよう町民の協力をお願いしたい。