各所で“連日”サプライズ花火

コロナと戦う方たちに敬意を込め打ち上がった花火=7月31日、龍郷町中央グラウンド

名瀬港の夜空を彩りエールを送った「サプライズ奄美サンライズ花火」=1日、荒木マサヒロさん提供

古仁屋漁港から子どもたちへ笑顔を届けた=1日、森直弘さん提供

貴重な夏の思い出刻む

 奄美では、7月31、8月1日に各所でサプライズ花火が打ち上がり、地域住民の心を彩った。31日は龍郷町浦集落の経営者らで立ち上げた有志団体「浦集落盛り上げ隊」(川畑耕一郎会長)主催。町中央グラウンドから打ち上げた。1日は奄美市の「県建設業青年部会奄美支部」(前田浩寿支部長)が名瀬港から。同日、瀬戸内町にある四つの保育施設の保護者有志が主催した花火大会も、古仁屋漁港で行われた。新型コロナウイルスの影響で夏祭りの開催が軒並み中止になる中、地域を応援、盛り上げたいという思いで開催されたサプライズ花火大会。住民らは貴重な夏の思い出を、それぞれ胸に刻んでいた。

 龍郷町で31日行われた花火大会は、例年7月末に行われる「龍郷町ふるさと祭」が新型コロナで中止となったことがきっかけで同隊が考案した。最前線で戦う医療従事者への感謝と敬意、観光客減少で苦しい状況である観光業従事者への応援、地域の子どもたちへ少しの楽しみになればとの思いから。(有)カワバタ、(有)カワバタ電設、(有)前田紬工芸、社会福祉法人竜泉会の代表らが資金を出し合い開催。野村特殊工業が協力した。同隊員らが所属している消防団のメンバーもボランティアで出動したという。大会1時間前に浦集落内で放送を流し告知。午後8時から約70発の花火を楽しんだ。

 この日、町体育文化センターりゅうゆう館で新体操の練習をしていた柳すみれさん(6)は「今年初めての花火だった。音に驚いたけど、とてもきれいで夏の思い出になった」と喜んだ。

 1日には奄美市の名瀬港で約30分間、約1300発の花火が打ち上がった。あまみエフエム ディ!ウェイブが協力。打ち上げの約1時間前に同エフエムなどで告知した。大会が始まると、多くの人が色鮮やかに光る夜空を見上げた。同青年部奄美支部の、「少しでも島を元気に」「人々へ敬意とエールを」という思いが込められていた花火だった。

 瀬戸内町古仁屋で同日上がった花火は、同町立高丘保育所、古仁屋信愛幼稚園、古仁屋小学校附属幼稚園、瀬戸内教会かな保育園の保護者有志が主催。約20発の花火だったが、「子どもたちに笑顔になってほしい」との一心で開催に至ったという。実行委員のメンバーの一人は「加計呂麻島からも子どもたちが見て喜んでくれたという話を聞いたので、実施できてよかった」と話していた。